目移りするようなメンバーとなったNHKマイルカップで、まず敬意を表すべきはグレナディアガーズ。
2歳のマイル王を決定づけた朝日杯フューチュリティステークスの1.32.3秒が出色ゆえで、目下の馬場にマッチするということにも。ただし、そこに至る過程に使い込んでのレベルアップといった面があったし、当時の追い切りが坂路での51.4秒とまさに目イチ。それに比べると、いかにも遅い今週の54.9秒。こうなると、ファルコンステークス取りこぼしへの不満が大きくなってくる。
その朝日杯、4着と詰めが甘かったバスラットレオン。
しかし、2走前から気分を損なうことなしの逃げに転じてひと皮剥けた。特に、前哨戦たるニュージーランドTが後続に影を踏ませぬ1.33.1秒だったから、その戦法では底を見せておらず、進化の真っ只中といった捉え方もできる。
ピクシーナイトとの兼ね合いが鍵になるが、ニュージーランドTで馬の癖を掴んだ藤岡祐に迷いが生じるとは思えぬ。逆転を視野に入れて良いのでは。
あと関西馬ではホウオウアマゾン。
立て直した前走、前を潰しに行く強い競馬で勝ち切ったことに絶大なる価値を求めて良いと同時に、レース後に不正歩行があった朝日杯は度外視できる。しかも、昨11月のデイリー杯2歳ステークスが示す通り、速い時計でもソツなく運べることも証明済みとなれば、チャンスと見做して良いわけ。
しかし、ここではスケール重視で関東馬シュネルマイスターを◎に。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。