菊花賞への最終関門になる神戸新聞杯、想定段階のエントリーは8頭に過ぎぬが、量より質といった形容がピタリ当て嵌まるメンバー構成になった。特に、栄えあるダービー馬シャフリヤールの参戦で楽しみが大幅に増す。
何せ、4戦3勝。確かに、ダービーはスローに流れたわりに、早目に動いた馬がゴールまで保たなかったという特異な展開だったから、仕掛けのタイミングが絶好だったのは確か。しかし、抜群の切れで高速決着を凌いだ上に、キャリア的にも完成途上での離れ業。正直驚かされた。従って、ひと夏超えての進化は約束されているわけ。前回時と異なり、6F追いが1本足りない反面、追い切りの坂路では51.2秒で自己ベストを更新。王者の風格を見せてくれるに違いない。
そのダービー、2着と同じ上がり33.4秒をマークしたのがステラヴェローチェ。こちらもレースの綾を味方につけた結果だったが、それを含め、春の二冠でいずれも3着と実力は折り紙つき。唯、1分32秒台に突入した朝日杯のインパクトが最も強烈だった事実が。つまり、ピンポイントはマイルという見立てを捨て切れないということ。シャフリヤールに対してであれば相手の1頭といった結論になってしまう。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。