11月を迎え初めての開催となる今週、メインは長丁場のアルゼンチン共和国杯。
それがハンデ戦ともなれば、掴み処がないような印象が先立つ。
しかし、長いホームストレッチを含め、2400mとは明らかに違う設定で、地力がダイレクトに結果に繋がる傾向を見落としてはならぬ。
となれば、連覇を視野に入れているオーソリティを巡る争いと捉えるのが妥当に。
確かに、5月の天皇賞以来となって、そこでは10着と案外なまでの不振。しかし、ピッチが落ちぬまま進む中、エキサイト気味の1周目があった上に、直線では逆手前で外に張り通しとなれば仕方ない。
要するに、GⅡ2勝をマークしている府中なら違うということ。
特に、キャリア6戦目に過ぎず、骨折明けという二重苦だった昨年のこのレースは、上の世代を力で捻じ伏せる強さを見せつけたではないか。
そこからの3.5キロ増しが気にならないのは、順調度で遥かに上回っているから。5F69.2秒と半ば流したような追い切りは、外厩を含め、思い通りのプランを遂行できた証だし、冬の足音が近づいたと思える冷え込みを迎えた時期と思えぬ毛ヅヤの冴えには目を奪われる。
美浦組で注目されているのは、2頭のエントリーがある国枝厩舎。
≫ 続きはログイン内で
柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。