安田記念の出走権を賭けた争いとなるマイラーズカップは、その大一番に直結するというより、ここを経てどこまでGⅠのレベルに近づけるかといったグループによる鍔迫り合い。
その中、例外と言えるランクなのがレッドベルオーブ。
何せ、2歳としては驚異的なレコードだったデイリー杯2歳ステークスの1.32.4秒があるほどで、直後の朝日杯フューチュリティステークスでも3着。底力を問うなら最右翼として良い。
骨折明けの前走・六甲ステークスこそ、掛かり通しで自滅したが、ガス抜きはなったと考えるのが妥当だし、叩き2走目での乗り替わり。背水の陣と捉えるべき。
当レースの前哨戦と位置づけられるその六甲ステークス、鮮やかに抜け出したのがエアロロノア。
メリハリのないまま終わった年明けの中京とは別馬と見紛うばかり。それが示す通り、現状では当舞台がベスト。実際、最後には詰め寄られたが、直線入り口からは持ったまま、そしてラスト1F手前で勝負を決めた瞬発力には瞠目させられた。
勿論、そういった仕掛けとなればGⅡでは厳しくなりそうだが、その点は幸も承知であろう。OP初戦の昨年でさえ、出負けがありながら、それまでの持ち時計を大幅に短縮。そこからの成長込みといった点でも◎候補に。
同じ冠名のエアファンディタも、やはりリステッド競走を勝ち上がっての挑戦。
完全に進路を確保できたのがラスト1F地点と、脚を余しそうな態勢から真一文字に伸びての差し切りに大きな可能性を感じて良い。反面、それは極限までロスを抑えようとした福永の賭けでもあった。先々はともかく、現状では注文がつくということ。
それならばホウオウアマゾン。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。