ヴィクトリアマイルは、数年前からのトレンドを思えば、牝馬の限定的なレースと決めつけるべきではないし、実際に多士済々とマイルの頂上決戦とも言える。当然ながら目移りする中、大まかな掴みは明け4歳との結論に。急激な成長曲線を描く時期で、現にそう。
まず美浦であれば、いの一番にソングライン。
元より、昨春のNHKマイルCからして、タイトルをほぼ手中にしていたではないか。これをギリギリで捕らえたシュネルマイスター、直後からでも上の世代に混じって絶えず首位争いと、当カテゴリーのトップを担う器だったのだ。
加えて、海外遠征の反動どころか、その馬体は性別を間違えそうなほどに筋骨隆々、ひと回り大きくなった全体像が目に飛び込んでくる。また、その見栄えだけでなく、併せ馬で追われれば弾丸の如くの伸びがラスト2週。念願のタイトルへ向け寸分の狂いなし。
とはいえ、そうは問屋が、と虎視眈々なのがソダシ。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。