牝馬限定のハンデ戦といった要素に加え、調整が難しい夏場といった点で大荒れ必至と決めつけて良いのがマーメイドステークス。
能力と2000mに対する適性を問えば、ルビーカサブランカになろう。
ここ2走は、大勢が決してからの突っ込みと距離不足が明らかだった上に、同じGⅢの当距離、愛知杯を制した事実は重いから。そこからであれば3キロ増しとはいえ、成長度がスローだった反面、上昇曲線を描いているのが目下といったことで相殺される。
死角として挙げるのなら季節。どうも冬馬と睨んで良いキャリアで、北海道で成長を促したここ2年の経緯が気懸かり。実際に坂路で鍛え上げるパターンではないのだ。少々割り引く。
それならば、愛知杯では惜敗だったマリアエレーナか。
ルビーカサブランカとであれば1キロ貰っている勘定になるし、直後には牡馬に混じったGⅡでも0.5秒差と崩れていないように、経験値アップさえ見込めるということ。
一頓挫あって立ち上げが遅れたのは痛かった反面、目標を定めてからはCWでの自己ベスト更新があるほどで、練度を冬場以上と見做して良い。中距離に転じて着実にレベルを上げているのも心強い。
同様に、前走がGⅡで鼻出血さえなければもっと迫れていた筈のクラヴェルを軽く扱うわけにはいかぬ。
間隔を開けざるを得ない状況だったのをどう捉えるのかがポイントになるが、最後の2本で追い込み過ぎた感のあった今季初戦と異なり、徐々にピッチを上げる過程を踏んでラストは終い重点。態勢を整えたからこそのパターンだけに信頼に値する。
昨年の3着からの4キロ増しにしても、その秋にはGⅠ3着があるほどで、今となっては実績に相応しいハンデと言える。
けれども、やはり◎は軽量馬から。スルーセブンシーズではどうか?
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。