サマースプリントシリーズの第二弾となるCBC賞は、今年も小倉での開催。
昨年と同じ状況なら、連覇を狙うファストフォースには敬意を払うべきだろう。
何せ、その昨年は、格上挑戦ながら押してハナへ。4角までにセイフティーリードを保つとそのまま押し切ってのレコード勝ちと文句なし。
しかし、今回はそこからの4キロ増しで、当然ながらマークもタイトに。再現を図るには高い壁が聳え立っているように思える。
それならば、タイセイビジョンに分があるのでは。
57キロのトップハンデになるが、4歳時の当レースも同様で、いわば据え置き。しかも、そこがスプリント戦に転じて初だったのに加え、勢いづいた直線でブレーキをかける不利が如何にも痛かった。
にも関わらず、上がり33.3秒は、後にスプリンターズステークスを制することになるピクシーナイトと同等だったのだから価値◎だし、そこからここに至る過程で経験値もアップしている。開幕週でもその決め手を軽んずるわけにはいかぬ。
復活が待たれるのがモントライゼ。
3歳春の葵ステークス以降は良いところなしと、早熟といった見立てがあって良い。しかし、4月のダート戦を含め、自らがレースを投げた結果だから気持ちの問題。間隔を開けてのリフレッシュが功を奏しているのは、坂路の好時計で分かるし、追い切りではチークP着用と工夫を凝らしている。マッチレースの結果、2着だった一昨年夏以来の小倉がきっかけになって不思議ない。
とはいえ、やはり魅力は軽ハンデの3歳で、まずはアネゴハダ。
ラスト1F地点で他とのレベル差が明白だった前走がポテンシャルの表れ。それを経ても未だ3勝クラスで格上挑戦になるが、これまでに重賞の3着が2度あるのだから、能力的に遜色なし。
ただし、昨年の小倉2歳ステークスでの位置取りや、フィリーズレビューでの味なレースぶりを振り返ると、当距離では少々忙しくなるやも。
逆に、テイエムスパーダはピンポイント。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。