サマー2000シリーズの幕開けとなる七夕賞。
前年度の上位陣が顔を揃えるのであれば、まずはそれらに触れなければならぬだろう。
連覇を狙うトーラスジェミニの調教には瑕疵なし。
年齢を感じさせぬ造りに加え、中間には速い時計で攻めている。もっとも、それは如何にも淡泊だった近走も同様で、GⅠでアワやのシーンを見せた直後だった昨年とは異なる。残念ながら峠を越したのでは。
ここ2走、ブリンカー着用の甲斐なしといったロザムールも、昨年の2着以来不振に喘いでいる。
終い重点はプラン通りにしても、角張った印象の全体像で捌きが硬いままなのが気懸かり。
唯一、望みがあるのは昨年3着だったショウナンバルディ。
7着と本来の粘りを見せられなかった鳴尾記念だったが、2走前と異なり、自分のスタイルに持ち込めたのは、良化過程にある故だし、昨年には小回りに乗じた味な競馬で当コースに対する適性を示した。そこからの2キロ増でも無視はできない。
スタンダードな組み立てをするのであれば、ヒートオンビートが妥当になろう。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。