夏・新潟の開幕を飾るのが、サマースプリントシリーズ第3戦のアイビスサマーダッシュ。
函館スプリントステークスでは伸び切れずに7着。やや期待外れだったヴェントヴォーチェが名誉挽回を期す鞍と決めつけて良い。
確かに、北海道の洋芝も速い時計の決着もOKだったそれまでを思えば、前走の敗因を見つけ出すのは難しいように思える。
しかし、昨夏の3勝クラス突破や1200mの持ち時計1.06.8秒がいずれも叩き2走目。ポン駆けの利かないタイプと見做すべきではないか。となれば、モヤモヤもすっきりするし、栗東に腰を落ち着けての調整、直前軽目といったいつものパターンに則った仕上げでのフル回転が目に見えている。
何より、上がりの速い競馬に滅法強い。1戦1勝の直線競馬にこそ適性があるわけ。
19年の覇者であると同時に、そこからの2年も連を外していないライオンボスに触れないわけにはいかぬ。
そのわりに秋になるとトーンダウンといったこれまでの歩みは、夏場の芝でこそといった裏返し。ただし、これまでの3年と異なるのは、調教中の放馬によるアクシデント故、春の開催をスキップせざるを得なかったこと。
春雷ステークスで5着と中央場所でも粘りが増していただけに残念至極。実際、最後はポリでサラリと締めるパターンは同様でも、後肢の踏ん張りが今ひとつといったフォーム。そのデキでの58キロでは分が悪くなる。
昨年、そのライオンボスを競り落としたのが当時3歳だったオールアットワンス。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。