例年のことながら、2勝クラスでの抽選があって、そのグループと既に出走に足る賞金を獲得している組とでは額面通りの格差があるレパードステークス。
それに従えば、3勝目を挙げたばかりのホウオウルーレットにとっても、OPの壁が立ちはだかるように見える。
しかし、デビュー戦での1.53.4秒自体が未来を明るく照らしていたし、断然人気だった伏竜S5着が余りにも淡泊だったことが転機になって、直後にはいきなり差す形に転じて結果を出せた。
その青竜ステークス、前崩れの展開に乗じたのは確かだが、馬混みに怯むことない力強い伸び。また、前走のいわき特別では、前半で目論見通りにセーブできた反面、捲った2着馬をやり過ごすシーンで不器用さを垣間見せた。にも関わらず、最終的には脚力を見せつけてと、経験を即糧にできる辺りが非凡。
しかも、2走前からの立て直しに手間取ったと思える過程があった上だから、そこからの上積みは相当に。実際、一層盛り上がった筋肉を纏った体つきには、3歳とは思えぬ風格さえ感じるし、3角過ぎから一気にピッチが上がった追い切りは実にハード。タイトル奪取に向けての並々ならぬ意欲が伝わってきた。昨年の覇者、メイショウムラクモを彷彿させる。
これと並び立つというか、凌ぐ存在として良いのがハピ。
頂点に挑んだジャパンダートダービーでは4着と土がついたが、0.3差で5着以下には水を開けた結果。それまでに経験していなかった前半の速い流れ故、追走に苦しみながらもそれを跳ね返したことに意味がある。
確かに、スタート直後に前に入られたことでブレーキがかかったのは、エンジン点火までに時間を要するといった現時点の特性に因る。つまり、カーブの急な新潟での追い上げは容易くないということ。しかし、多少のコースロスなどモノともしない、追ってからの迫力にこそ王者の資格あり。再びの快進撃がここから始まる
鳳雛ステークスでそのハピに屈したタイセイドレフォン。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。