登録段階からフルゲートに満たぬ頭数とはいえ、その質を問うならば極めて高い今年のオールカマー。
それを引き上げた2頭は、いずれも長期ブランクがあったクチ。まずはデアリングタクト。
春のGⅠ2戦で6→3着と尻上がり。というか、ヴィクトリアマイルでは本来なら見せ場を作るのさえ困難に思えたマイルの高速ターフにあっても一瞬は顔を覗かせた上に、レコード決着だった宝塚記念では抜群の手応えで進出した結果の3着だったから確実な歩みと捉えて良い。
しかも、今回の休養はこの秋に向けての充電だけに、仕上げの面でも春より容易かろう。実際、1週前に関してだけでもCWでの6F78.6秒と自己ベストだし、直前の坂路でサラリと終えるのはこれまで通りと、寸分の狂いなし。秋華賞以降勝ち星に見放されているが、4歳時の香港を含め、底力を疑う要素は見当たらぬではないか。
もう一方の雄、ヴェルトライゼンデは屈腱炎明けだったにも関わらずの6月以来。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。