本格シーズンへの突入を実感させる秋・府中のこけら落としは、毎日王冠。
天皇賞・秋がこの開催に控えているとなれば、同じ2000mのGⅠである大阪杯の結果が大いに関わってくる状況。それだけに、そこでのワンツーが脚光を浴びるのは仕方ない。
まずはポタジェ。
3歳夏からの4連勝とは裏腹に、重賞ではもうひと押しが利かぬ状態が続いた。だからこそ、初タイトルがGⅠだったのには驚いたし、前を窺う位置から測ったように捕らえたレース振りをフロック視することなどできぬ。
しかし、間隔を開けての-4キロが誤算だったとはいえ、より厳しいレースに晒された宝塚記念での11着には首を傾げざるを得ない。思えば、昨秋には今年と同じ路線を歩んで限界を見た。府中での別定58キロでは食指は動かぬ。
レイパパレのヴィクトリアマイルは度外視して良い。
出負けをカバーしようと脚を使って前目に行った分、後続の目標になった上に、自身でリズムを崩す最悪の形だったから。
大阪杯は勿論のこと、同じ左回りだった金鯱賞で2着に食い込めたことで、4歳秋のスランプから脱したと捉えて良いし、主導権を握れそうなメンバー構成と、息を入れつつ運べそうな1800m。少なくとも対ポタジェであれば優位に立っている。
それでも、安田記念組のレベルには達していないのでは? その筆頭がサリオス。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。