今週の朝日杯フューチュリティステークスは、先週の阪神ジュベナイルフィリーズ同様、キャリアの浅い馬同士のせめぎ合いということで、これまでの成績に囚われることのないチョイスが成り立つ反面、同じマイルでのパフォーマンスを根拠にするのが近道に。
そこでまず取り上げるのが、サウジアラビアロイヤルカップを通過したドルチェモア。
渋り気味の馬場だったとはいえ、低調な時計だったのが札幌のデビュー戦。しかし、勝てば事足れりといったレースぶりが奥行きを伝えていたし、それを証し立てたのが前走。
離し逃げを打った馬に惑わされることなく、坂下に至っても決定的に見えた差を見る見るうちに詰めての差し切り。ハナに拘らないどころか、スンナリと折り合って決め手を発揮できる幅の広さが能力の裏づけに。開幕週で時計の出易い流れだっただけに、その1.33.4秒に殊更高い評価を与えるわけにはいかぬが、そこで見せた変わり身、最終追いの坂路で51.7秒と時計を詰めた点でも更なる進化が約束されている。
ライバルは、デイリー杯2歳ステークスで取りこぼしたダノンタッチダウン。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。