ステップアップを目論む明け4歳にとっては、通過するだけでなくそのレース振りが今後を占う意味で重要になってくるアメリカジョッキークラブカップが正月開催の掉尾を飾る。
それに従えば、ガイアフォースをまずは取り上げるべきだろう。
菊花賞こそGⅠの高い壁に撥ね返されたが、最内枠でプレッシャーを受ける道中、本質がステイヤーでなかったといった点で展開的にも厳しかった。
何せ、高速ターフの夏・小倉でのレコード勝ちがあるほどだし、坂のあるコースも既にクリア。特に、結果的には長く脚を使わされる状況になっても測ったように前を捕らえたセントライト記念に非凡さが表れている。
問題は、秋から間隔が開いたことだが、年明けと共に本格始動となっていきなりの坂路52.6秒。それを含め、9月の東上時より密度の高い過程を踏めたのだ。冬場の芝といった点に引っ掛かりを覚えるとしても、首位争いから外すわけにはいかぬ。
同じ世代のエピファニーは関東期待の星。
4連勝でここまで駒を進められたことに価値があるし、前走などは前を射程に入れつつで結果的には着差以上に余裕が。
最終追いの単走にしても、バランスが格段に秀でてきたと実感させる体を弾ませてのフィニッシュと文句なし。ただし、パワーに偏った走りで今回は守備範囲を僅かに外れる距離。3歳時の実績でもガイアフォースとの隔たりを認めざるを得ない以上、相手の一角とするのが妥当に。
GⅡの別定となれば格に対しての敬意も必要。そう、ユーバーレーベンだ。
≫ 続きはログイン内で





柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。