東京開幕週を飾る根岸ステークスは、最終日のフェブラリーステークスを占う意味で、先週の東海ステークス以上に重要な位置にあり、世代を問わずに多士済々といった様相がそれを物語っている。
その中、昨年のワンツーにまずは触れておきたい。
まずはテイエムサウスダン。
前年度の覇者という以上に、直後のフェブラリーステークスで2着と大威張りできる実績の持ち主。交流重賞で培った力が府中で開花したことに他ならぬし、変幻自在なレース振りと幅の広さも大きな武器に。確かに、本来なら自分の土俵である地方でのここ2走ではひと押しが利かぬが、忙しいスプリント戦だけにエクスキューズは成り立つ。
本格化を迎えつつあった一昨年秋からの坂路オンリーといったメニューを移籍してからも継続している点と合わせて、首位争い必至とすべき。
そこでの2着だったヘリオスも俎上に載せなければならぬ。
伸び悩んだ5歳時には想像できなかった、自在性をそなえての日進月歩がある。南部杯に至ってはカフェファラオに対して際どく食い下がったほど。勿論、そこからの1F短縮でポテンシャルが下がるとは思えぬし、息の長い活躍が約束されている去勢馬。昨年からの1キロの増も気にならぬ。
しかし、これらの既成勢力も新鋭レモンポップの勢いには譲るのでは。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。