ここに臨んでいたなら三連覇にリーチがかかっていたカフェファラオを始め、中東の高額賞金に目を向ける馬多数ということで、例年と異なる層の薄さが感じられるフェブラリーステークス。
つまり、キャリアを殊更に重視することなく組み立てられるわけで、前哨戦での快勝があるレモンポップに人気が集まるのには頷ける。
脚部不安による長期ブランク明けこそ、馬と相談しながらといった過程ゆえに取りこぼしたが、昨冬の2勝クラス突破からは破竹の勢い。そして、根岸ステークスを加えた通算の府中実績は7勝2着1回となったわけだから、まさにGⅠゲットへの下準備は完璧と言えるまでに整っている。
その前哨戦でこれに迫ったギルデッドミラーが、骨折での抹消。要するに、数字には表れぬ消耗戦だったということ。勿論、角馬場でのダクでゴツゴツしているのは相変わらずだし、それはコースに出るまでにはほぐれているというのはいつも通り。したがって、セーブ気味に進みながら前回時を上回る5F67.7秒なら及第点だし、11秒台突入のラストは軽快と瑕疵はない。
けれども、やはり間隔が詰まった昨秋・武蔵野ステークスの詰めに関してはじれったいのひと言。ピークを維持するのに手間取るのは確かで、ベストが1400mとの疑いも拭えぬのなら、◎にはできない。
新興勢力ということなら、明け4歳のドライスタウトを挙げられる。
≫ 続きはログイン内で





柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。