名うてのステイヤーであることを首位争いに足る資格として良い阪神大賞典。
まずピックアップしなければならないのは、3連覇を目指すディープボンド。
ここから天皇賞・春といったパターンでいずれも結果を得ているのは、それに向けたノウハウを心得ていることに他ならぬ。
1週前に負荷をかけて直前は控え気味のルーティーンに加え、坂路での好時計が中間にあるように、ピークを超えたといった印象は皆無。一昨年2着だったとは異なり、結果的には勝負に出ての位置取りが裏目に出た有馬記念はやむを得ない。それには目を瞑るのが妥当でもある。
昨年の2着馬アイアンバローズも争覇圏にある。
確かに、ダートに色目を使った直後と方針が定まっていないまま臨むのが当時との違い。それでも、使い込んでのレベルアップが漸く叶ったのが昨年の天皇賞まで。即ち、トップフォームに持って行くのに手間取るタイプと決めつけて良いから、前走までは途上だったわけ。実際、久々で+16キロだった京都大賞典はともかく、直後からはいずれも坂路追い。伸び悩んでいた時期同様の仕上げだったのとは逆に、今回は直前までCW。当日、500キロを切るようであれば本来の力を発揮するに違いない。
しかし、天下は4歳勢に移っているのでは。特に、有馬記念で2着に食い込んだボルドグフーシュにとっては通過点とさえ。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。