ドバイとの振り分けがある分、少々手薄になる傾向の大阪杯。
見極めが難しく、多士済々といった様相で馬券的には大いに食指を動かされる中、まず取り上げなればならないのがヴェルトライゼンデ。
59キロだった日経新春杯での快勝は、相手弱化に拠ると総括できる反面、スローでの抜け出しと負担を強いられなかったことで前哨戦としては格好だった。同時に、昨年のジャパンカップが一旦は先頭を窺った挙句の僅差。三冠全てに出走した素質馬が、長期ブランクを克服して完全に軌道に載ったということ。勿論、当距離ということなら、鳴尾記念を持ち出して良い。
けれども、オールカマーでの不甲斐なさが気になる。屈腱炎明け2戦目で難しい調整を強いられたのは確かでも、当時が坂路での速い時計4本と今回同様に十分な乗り込みを経ていただけに、右回りがネックになる恐れも。
そのオールカマー、内から鮮やかに抜け出して、対ヴェルトライゼンデということなら鳴尾記念の雪辱を果たしたのがジェラルディーナ。
それどころか、コースロスの影響など微塵も感じさせなかったエリザベス女王杯、出遅れが如何にも痛かった有馬記念3着と飛ぶ鳥を落とす勢いがある。
したがって、この2頭に関してはこちらに軍配が上ろうし、4歳秋以降の姿を本来と捉えてそれまでに関しては目を瞑れば辻褄も合うということ。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。