今年の天皇賞・春、最大のテーマは、タイトルホルダーの連覇なるか否か。
その昨年を含め、関西圏のGⅠは未だに負け知らず。しかも、微妙な距離だった宝塚記念などは、番手から運んでもレコードでの快勝と、ハナに拘ることなしでも能力を出し切れることを証し立てている。
確かに、4歳下半期はフランス遠征もあって尻すぼみだったが、今季初戦の日経賞は2着に8馬身の独壇場。59キロを背負っていたのだから脱帽するしかなかった。
なるほど、日経賞を目標にした3月からは、更に発達した胸前、それに全く劣らぬトモのハリ。復調どころか、5歳を迎えての進化さえ目に飛び込んできたほど。
その充実ぶりに翳りなどないと断言できるのが今回に至る過程。勿論、輸送を控えている分、追い切り時計は前回時より劣るが、負荷の加減を自在に調節できるほど鞍上が容易く手の内に入れられると同時に、はち切れんばかりの馬体。京都独特の下り坂、外回りといった点を差し引いても、主力扱いから外すわけにはいかない。
日経賞が余りにも不甲斐なかったのがアスクビクターモア。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。