多士済々といった今年の日本ダービー。
どんぐりの背比べといった意味合いでは断じてない。厳しいレースだった皐月賞が示す通り、現時点でも世代レベルは折り紙つきということで、いつも以上に興味をそそられる。
やはり、一冠目の結果は尊重しなければならぬ。そこでの覇者、ソールオリエンスが2つ目のタイトルにリーチをかけている。
確かに、逃げ宣言の馬がそのままピッチを落とさずに進めたが為、レースの上がりは37.2秒。つまり、3角過ぎからのスパートが嵌る展開ではあった。けれども、難しい内枠、前に馬をやって外に持ち出すしか選択肢がなかった中、最後には次元の違う脚。その伸びに2F延長での破壊力増しが見えている。
しかも、飛節の柔らかさを始め、全身是れバネといった伸縮自在の伸びやかフォームに皐月賞当日の馬場がマッチするわけもなく、それさえ難なく克服した奥行きには脱帽するしかない。
勿論、入りが16秒台と、終い重点だった最終追いは織り込み済みだったと同時に、スイッチの入ったラスト1F過ぎからの躍動感は前回時以上。スムーズな左回りに替わることを含め、上積みしか考えられぬ。
皐月賞2着タスティエーラもここに向けて着実にレベルを上げている。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。