5週にわたる東京連続GⅠシリーズの掉尾を飾る安田記念は、層の厚いカテゴリーといった事実が反映される混戦。
その中、関東勢の筆頭に立つのは、シュネルマイスターとして良いのではないか。
順風満帆だったNHKマイルカップまでとは逆に、4歳時には勝ち星なし。ドバイ遠征の反動で、昨年の安田記念でさえ全体的に萎んだ印象を拭えぬまま臨んだ。
対して、国内に絞った今季は内で窮屈になった中山記念でも崩れなかったし、前半4Fが後半のそれを0.7秒上回るマイラーズカップが測ったような差し切りと完全復活を果たした。
その勢いが増しているのは、帰厩後の立ち上げがスムーズだったことで分かる。しかも、併せ馬2本が貫禄勝ちといった先着で、1週前などは外目のコース取りで上がり36秒台に突入。その躍動感には唸るしかなかったほどで、ワンランク上のレベルに達した。
連覇を狙うソングラインも当然ながら首位争いに加わる。
その昨年と違うのは、直前のヴィクトリアマイルを制したこと。つまり、無理に抑えず馬の気分を損なわなければ安定して力を発揮できるわけ。確かに、スプリント体型にシフトチェンジしつつある。しかし、その分で切れが増したのは事実。
また、中2週ながら3頭併せの真ん中から矢のように伸びてのラスト11.3秒。前回時以上に余裕があった点にも好感が持てる。
以上の2頭には敬意を払うにしても、意中の馬はセリフォス。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。