今週のメインはエプソムカップ。これを単なるGⅢと軽く見てはいけない。
何故なら、ここでの賞金加算によって秋には大舞台に挑もうかという予備軍にとって落とせない鞍だし、それに足る資質の持ち主が臨んでくるから。
その最たるがインダストリア。
安田記念が優先順位で19番目だった故、そこでの除外は織り込み済み。つまり、スライドによるビハインドがないどころか、当初から目標はここ。
その過程では、圧巻だった2週前の3頭併せが。そこでは、行き出しで前が大きく先行したが為、単走で終えると思いきや、エンジン点火の3角過ぎからは瞬く間に接近、1Fに至らぬ前に抜き去っていたほどの瞬発力には目を奪われた。しかも、見るからに太かったにも関わらず、結果的には馬なりでの上がり36.8秒。そこからの単走4本で大いにシェイプアップした。
確かに、暮れからの3戦中、中山マイルで2勝、東京新聞杯では伸び足りなかった。しかし、爪の不安で3歳後半をほぼ棒に振った過程を鑑みれば、東京新聞杯はまだ本物でなかったろうし、現に鍛錬がダイレクトに実を結んでいる目下のハリは特筆すべき。飛びの大きなタイプだけに本質は府中でこそ。距離に対する融通性にも太鼓判を捺せる。
これと並び立つのがジャスティンカフェ。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。