サマー2000シリーズの第二弾となる函館記念は、路線が多岐にわたる分、それらの見極めがより重要になってくる。
まずは、同じ函館で前哨戦と捉えて良いのが2週前の巴賞。そこで鮮やかな差し切りを演じたアラタから。
-20キロと年明けの中山金杯から一気に絞った金鯱賞が、直線で窮屈になりながらの3着。同じGⅡだった昨夏の札幌記念より際どかったことでも6歳を迎えての進化を認めるべき。
元より、函館で既に3勝をマークしている巧者ぶりに加え、落ち着いて運べる2000m。初重賞ゲットへの舞台装置は整った。
その巴賞、最も強いレースをしたのがドーブネ。
前を早目に潰して先頭に躍り出る勝ちパターンだったから。それどころか、今春にはその先のGⅠを目指す面々に混じった中山記念でさえ2着争いに加われたほど。ローカルとなればもう力量上位と見做すしかない。
ただし、ハイパフォーマンスがドンピシャの1800mに限られるのが気懸かり。実際、3歳時のプリンシパルステークスが工夫を凝らしたレース運びながら結局は伸び足りないまま。無論、小回りのコーナー4回なら違おうが、ライバルと目されるタイプは1F延長での上積みが計り知れぬ。ここは下馬評に逆らってみたい。
その組から取り上げるべきはルビーカサブランカ。
放牧先から直接現地入りした前走の直前は4F追いの終い重点とハナから叩き台。にも関わらず、上手く内にもぐり込む競馬と今回を見据えるには十分の5着だった上に、順当な攻め強化が正に青写真通り。
昨年暮れのチャレンジカップ2着をイメージできるとなれば、ここでも俎上に載せられるべきだし、ハンデは55キロ。遡れば、一昨年の当舞台でアラタの後塵を拝したSTV杯、0.7秒上回る上がりタイムをマークしてまだ脚を余し気味でもあった。そこであった1キロ差が今回は3キロに。逆転の根拠にできるではないか。
全くの別線は、3勝クラスを通過したばかりのローシャムパーク。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。