過去10年でフルゲートに満たなかったのが3回のみというエリザベス女王杯。水曜の想定段階で15頭といった点が、今年の層の薄さを表しているのではないか。
となれば、キャリアの浅さは不問にできるわけで、主力を3歳馬として良い。中でも注目の的はブレイディヴェーグとなるだろう。
特に、レコードで決着したローズステークス2着には価値がある。
何故なら、出遅れた上に、道中は気合いをつけつつの追走、直線半ばまでは捌くのに少々手間取ったから。つまり、秋華賞でリバティアイランドに迫ったマスクトディーヴァとは流れを掴めたか否かというデリケートな差に過ぎぬ。
また、稽古の質アップは同じく栗東で調整を進めた前回時を6Fで2.0秒上回る追い切りタイムに表れた。問題は、秋初戦からの2F延長になろうが、骨折明けで7分程度のデキだった2走前の芝2000mでさえ、1.57.9秒を叩き出して息の長い末脚を見せつけたことから、守備範囲と見做すべきで、むしろエンジンは全開に。
ハーパーが争覇圏にあることは、論を俟たぬ。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。