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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2014年07月31日(木)更新

昨年2着馬に黄信号が灯ったアイビスSD

夏・新潟の目玉になりつつあるアイビスSDがメイン。開幕を飾るには格好のコンテンツと言えよう。唯、2年ぶりにフルゲートを割るどころか、過去10年で2番目に乏しい13頭のエントリーというのが水曜の想定段階。前年2着のフォーエバーマークにとってはチャンス到来という見方が一般的。3頭縦列の最後尾から矢のように伸びた1週前まではそう思っていた。が、再び芝コースで追われた最終追いには少々不満が残る。

勿論、輸送を控えての調整だから単走にも納得。が、楽走だったラスト12秒3が物足りぬ。腹目に余裕のある体型でフォームに伸びやかさがなかった点が気になるのだ。函館では前半3F33秒8といっても開幕2週目で内が有利な上、プレッシャーのない状態で進められたのに粘りが足りなかった。少なくとも、そのレースで先着を許したセイコーライコウを負かせるほど状態は上がっていないと判断。まして、ハンデ差があったとはいえ、春・韋駄天Sは完敗。昨年からの1キロ増が重くのしかかりそう

ウッドで追い切ったのが斤量面で有利な3歳フクノドリーム。中1週だけに強い稽古は不要な状況で半マイルから流した程度。メリハリの利いた動きでの4F54秒4でラストは12秒3と鋭く反応。好調は間違いないところ。しかし、徐々に加速するタイプの直線競馬となると疑問符がつく。となると、韋駄天S勝ち馬を軸に推理を展開すべきレース。唯、その馬が坂路オンリーだけに、当コラムでは結論を急ぐべきではないかも。

特別戦で同じ芝1000の競馬が土曜9Rの500万下。水曜の芝コースで口火を切ったイマスグキスミーは、直線で気合いをつけられると真一文字の伸びで1F11秒4。平坦向きの切れが身上だけに出走が叶えば人気を集めよう。けれども、ゲートが開いた瞬間からフルスロットルのパワーが要求される条件にそぐわない気がする。

同じ3歳でもファンファーレ。激しいせめぎ合いだった前走で2着。芝替りというより、直線競馬に対する適性が抜群だったわけ。また、一息入って必要部位の筋肉が発達。アクセントの利いた体を駆使しての最終追いでは余裕綽綽での併入。内が500万下卒業に王手のかかるグランドサッシュ(日曜8R)だったから、併せ馬の水準自体も高かったということ。

もう1頭がミラクルアイドル。春・新潟ではファンファーレの後塵を拝したものの、当時は中1週での臨戦で輸送も挟んでいた。焦込みとコズミで走れる状態でなかったから度外視。今回は鞍上のアクションにも呼応してのラスト12秒4で柔らか味のある動きを披露。初勝利時の時計が優秀なだけに、リフレッシュ効果を見越して狙うべき

今週は勝負したい鞍が土曜に偏っている。その最たるが五頭連峰特別のマイネルアウラート。帰厩して日が浅いが先週の時点で体が引き締まっていたし、追い切りが圧巻。格上を2秒7追走しての5Fスタートだったが、見る見るうちの前との差を詰めて直線へ。1F地点でも2馬身差があったのに力強い伸びで同時入線に持ち込んだのだから驚く。ハイラップを刻んでもラスト12秒5で、パワーUPぶりと仕上りの良さが目を惹く

これと同世代で能力的にもヒケを取らぬイタリアンネオは5F67秒9で2馬身先着。ピッチが上がらなかった前走にはなかったしぶとさが出てきた。けれども、一瞬の脚で優位に立つだけに外回りは?なお、同じ厩舎でここ出走のゴッドフリートはそれに遅れを取ったものの、追走して外というビハインドを考えれば中身は濃い。コース実績、OP落ちという要素から中心視と考えていたが、ハードに攻めたのが直前の1本と仕上げが甘い。少し割り引くのが妥当。

あとは土曜の新馬。先週も当欄で取り上げたマンゴジェリー(5R)。今回は優先権があるから出走は確実。ならば、直前は軽めと思いきや、再びの6F追い。当然ながら豪快な身のこなしでセンスも満点。大飛びで内回りには決して得意とは思えぬが元値の違いで克服

最後は日曜12Rで手堅く。一息後になるトーセンマイティ。西下した前走は出遅れが全てでレースになっていない。また、1400でも能力でこなすことができるものの、本来はスプリント能力を生かした条件がピタリ。当然ながら新潟は合う。それは関係者も承知だろうから、無駄肉のない体型に仕上がった。特に、最終追いでは内の馬を圧するような迫力で、パワフルな身のこなしにも磨きがかかった模様。8分でもゲートさえまともなら、と考えているほど。9分に近いデキなら取りこぼしは許されぬ

プロフィール
柴田卓哉

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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