安田記念への出走権を賭けた争いとなるマイラーズカップは、速い時計の決着になること必至。能力と共に、そこに対応できるか否かが明暗を分けよう。
その中、まず取り上げなければならないのがセリフォスなのは論を俟たぬ。
何故なら、3歳秋には上の世代を向こうに回してのGⅠ制覇と格的に頭ひとつ抜けているという見方が妥当だからだ。
けれども、更なる飛躍を見込まれた昨季がインパクト不足。もはや苦手と決めつけて良い海外遠征はともかく、理想的なレース運びだった安田記念で最後の最後には甘くなったし、マイルチャンピオンシップがあえなく退く淡泊なレース。つまり、成長力に疑問符がつくと同時に、抑えを利かせられなかったのが2走前で、京都の下り坂ではブレーキが利かなかったわけ。
確かに、1週前の長目追いが意欲的だったのに加え、1F10.9秒と弾けたように、復活に向けて余念はないが、昨秋との比較で1週遅い栗東での始動と追い足りない分をカバーせんとした面も。不安が先立つとの結論が妥当ではないか。
となれば、マイルチャンピオンシップ→香港とセリフォスに先んじたソウルラッシュ。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。