ここ数年に比べると一気に層が薄くなった日本のマイル路線を見越したかのように香港からの参戦があって、そこに抜け目のなさを実感させると同時に、レベルの面でも申し分がない故、外国馬2頭を中心に組み立てるべき安田記念。
実際、暮れと4月の香港GⅠで2、3着だったヴォイッジバブルは、その2戦で日本からの遠征馬を負かしている。
素早く好位に取りついて馬混みにあっても冷静に対処するセンスを見せつけた挙句、手応え通りに伸びるという安定味が何とも心強い。府中の坂がネックになりそうにないフットワークからも、初来日で能力が削がれるようなことはなかろう。
格的には最右翼と決めつけられるのがロマンチックウォリアー。
5歳秋、豪州から始まった4連勝を含め、GⅠを既に7つゲットして名馬の域に。確かに、いずれもが中距離だったいう点、力で捻じ伏せるイメージが先行している分、時計に対する限界といった懸念があるにはあるが、昨1月のマイルでは、そのカテゴリーでトップの一角を占めるゴールデンシックスティと少差。であれば適性ありと見做せる。底力を重視しての◎に矛盾なし。
とはいえ、あくまでもアウェーでの敗戦だった日本馬の望みが絶たれたわけではない。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。