ポイント争いが熾烈になっているサマー2000シリーズの行方を決する新潟記念。
同じハンデ戦だった七夕賞からが正統になると同時に、北海道での２戦に比べると少々手薄といった印象は拭えない。
その中、やはり注目はレッドラディエンス。
目下のところ10Ｐでひっくり返せる位置にいるし、ＯＰ２戦目は外から鮮やかに抜け出して後続に２馬身差だったから完勝と言える内容。
２歳夏デビューの５歳ながらキャリアがまだ12戦というのは、骨折での休養がトータルで15ヵ月以上に及ぶ上に、成長度合いに合わせてレベルアップを図ったことの表れで、今が伸び盛り。
実際、前回時同様に１Ｆ11.1秒と終いを伸ばした１週前のＣＷから直前では坂路と今やルーティーンとなったメニューを消化。状態も高いレベルで安定している。ただし、今回は1.5キロ増しのハンデが鍵に。
その隙を突ける第一の候補がキングズパレス。
１年近く在籍した３勝クラスでの対戦相手から昇級即通用は見えていた。しかも、当時と異なり、矯めただけ弾けられるようになって勝ち味の遅さが解消しつつある。惜しくも２着に敗れた２走前の新潟大賞典にしても、スローからの逃げ込みを図る勝ち馬を目の覚めるような脚で追い詰めた。
斤量増と未経験の福島を難なくクリアしての上がり最速だった七夕賞が示す通り、尋常でない地力強化ぶり。それを物語るのが実になった馬体で、バランスと共に推進力を生む力強いかき込みには目を奪われた。５Ｆからピッチを上げた追い切りでは、直線半ばから重心が沈む迫力満点のフォームでラスト11.3秒と明らかに前回時と上回った。大逆転でのシリーズ王者が見えてきた。
トップハンデとの斤量差を問う場面で急浮上するのが３歳牝馬のライトバック。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『１馬』在籍時には、 「馬に乗れる＆話せるトラックマン」として名を馳せる。 ３０年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。
