3週目を迎える中山メインはオールカマー。ここをステップに大きなタイトルを視野に入れられる器がひと際異彩を放っている。そう、レーベンスティールだ。
3歳秋にGⅡを制した後の香港遠征、及びその反動で立ち上げからピッチが上がらないまま臨んだ今季初戦以外は崩れなしといった点に非凡さを感じる。加えて、高速ターフにも動じなかった6月・エプソムCなどは、他とのレベル差が歴然となった結果で、それが59キロを背負ってだから凄いのひと言。
今回、別定57キロになるだけでも頭ひとつ抜けた存在なのに、鋼を纏ったような筋肉量を誇っての帰厩があった。それを裏づけるのが前回時を大きく上回る調教の質で、速い時計でもブレのないどころか、抜群の推進力で体幹の強さが増したことを実感させた。
また、日曜までの併せ3本でさえ十分なのに、直前でも迫力満点に1F11.3秒で持ったまま。靄で視界が利かない中でも、オーラが伝わってきたほどで既にGⅠ馬の風格さえ。逆らうなし。
水曜に追った中から、一昨年の当レース2着ロバートソンキーには触れねばなるまい。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。