GⅠが連なる秋の中でピークのひとつに位置づけられる天皇賞には群雄割拠との形容が当て嵌まる。その中、まず取り上げたいのがレーベンスティール。
トントン拍子だった3歳秋までと異なり、香港遠征と今春・新潟大賞典ではポカがあった。が、調子の波が大きく、一旦緩めると驚くほどのパフォーマンス低下があるし、前哨戦の9月にしても結構軟弱な2着には半馬身と際どい勝利。
唯、コントロールを利かせるのに多少の苦労が伴っていた上に、直線では進路を探すシーンさえ。むしろ、最後まで落ち着いての測ったような差し切りに目を向けるべき。その時点でも厚みのある馬体で成長力を実感させた一方、やはり叩き台といった緩さも。
要するに、余裕残しの仕上げから一転、アバラが薄っすら見えるような研ぎ澄まされた体に変わった結果、それをフルに使う迫力満点の稽古を繰り返せた。その最たるが水曜の追い切りで、相手に合わせたような道中からラスト1Fを切って外が苦しくなったように、格の違いが歴然。なるほど、6F77.5秒~5F62.8秒なら当然。それが控え目なままだったならもう本格化として良いわけで、ビッグタイトルは目前にまで迫っている。
ライバルにまず挙げなくてはならぬのがリバティアイランド。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。