秋に長らく続くGⅠシリーズの中でもピークのひとつといった位置にあるのがジャパンC。近3年がフルゲートだったのとは異なり、14頭のエントリーになった反面、一線級の外国馬を含め、5億円の高額賞金を目指すのに相応しいメンバーに。
その中、まず取り上げるべきはドウデュース。
4つ目のGⅠをゲットした直後。その天皇賞は、1000m通過が59.9秒と一向にピッチが上がらぬままだったにも関わらず、直線に賭ける競馬に徹して大外から鮮やかな抜け出しと底力を存分に見せつけた。つまり、ドバイで取消があってそこからの立て直しに手間取った4歳時とは全く違うわけ。
実際、1週前には前回時をなぞるように行き出し7Fの3頭併せを敢行できた上に、ラストは10秒台突入といった見事さだし、締めはポリでのしまい重点と、確立された仕上げパターンで寸分の狂いなし。復調途上だった昨年でさえ2着争いに加われた上に、ダービーでイクイノックスに先んじた舞台。しまい一手の位置取りになったとしても十分に間に合うわけ。
唯、それよりも面白いのがチェルヴィニア。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。