キャリアが浅い馬同士、デリケートな牝馬による争いになる阪神JFで、各々の能力を推し量るにはイメージを優先させざるを得ない状況の中でもブラウンラチェットのポテンシャルに疑いを挟むことなどできぬ。
コーナー4回で極めて緩いペースで進んだ9月・中山が流した程度の調教代わりだったのと対照的に、同じスローでも外に壁がある状態に終始したのがアルテミスS。それにも関わらず、落ち着いて対処できていたし、坂下でやや狭くなるシーンさえ難なくパスして決め手の違いで抜け出したのだから、掛け値なし。
一方、これまでと異なり、美浦入りして日が浅いまま臨む点と1週前が単走だったのに引っ掛かりを覚えた。が、併せ馬で締めた追い切りが、先行した古馬OPをいつでも捕らえられる手応えのまま、実にシャープで持ち味を存分にアピールした分、杞憂に終わりそう。唯、如何にも細身で初になる長距離輸送をどうクリアーするか? 当日の馬体重チェックは欠かせない。
同じく無傷で臨むビップデイジーにも着目すべき。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。