優勝賞金が1000万ドルといったサウジCと時期が重なるフェブラリーSは、どうしても空き巣状態に。つまり、中東に遠征する一線級との比較がテーマになるのが自然の成り行き。
となると、明け4歳ミッキーファイトには一気の世代交代を果たす入れる資格あり。
何故なら、自身のレベルUPが明らかになった3歳秋からは、中央以上に質の高い交流重賞で2着→1着。殊に、3歳限定とはいえ、世代を乗り越えてのチャンピオンと言えるフォエバーヤングに対する0.2秒差だった10月ジャパンダートクラシックで自身の地位を確定させた。
中間に正面入りからの長目追いを2本敢行したことからも分かるように、1週前までの追い切りは少し重い印象。田中博厩舎の前週が水曜追いだったこと自体が異例な12日の3頭併せについても、持ち前の豪快な身のこなしでのフィニッシュだった反面、ゴールを過ぎてからも気合いをつけていた。
けれども、日曜の坂路で50.9秒と全く手を緩めなかったのに加えて、強烈な追い風があったとはいえ、水曜にも好時計をマーク。その結果、木曜追いの段階ではシェイプUPがなった立ち姿で登場。ユッタリとした6F行き出しから、結局は上がり36.7秒での半馬身先着と懸念は雲散霧消。
調整面では問題ないとすると、距離適性が焦点に。同じくマイルで挑み、辛勝だったのが新馬戦。2着馬が若さを見せて外に切れなければ捕らえ切れずの2着もあり得た内容で、時計も突出したわけではなかった。故に、理想はもっと長い距離だと捉えるのが自然。それでも、経験を糧にしてきた過程と素晴らしい馬体のハリ。十分に補える主役に相応しい。
連覇を狙うペプチドナイルをライバル視するのが妥当。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。