皐月賞からダービーに至る路線では、最優秀2歳牡馬に輝いたクロワデュノールと、東スポ杯2歳ステークスでそれに追随し、今季初戦のきさらぎ賞がワンサイドだったサトノシャイニングがリード。そして、その2頭に迫る立場に名乗りを上げんと相見える場が、2週目を迎える中山メインの弥生賞ディープインパクト記念。
その中、暮れの開催で連勝を達成したヴィンセンシオは、間違いなしのスター候補。
超スローだったデビュー戦と全く異なる淀みのない流れに晒された上に、後ろから来た外2頭との猛烈な競り合いを制して類稀な勝負根性を見せつけたからだ。
それが、1.58.8秒だったから掛け値なしと同時に、一気の時計短縮によって中山への適性も露わに。問題はそこから間隔を開けて臨む点。とはいえ、当初から始動はここと決めていたのだから、メニューは前回時より多彩。それに加え、1週前のDWでは2馬身先着での1F11.2秒と及第点。
しかし、インパクト◎だった前走と異なり、直前が坂路がだったことに引っ掛かりを覚える。確かに、遅れは追走の分で、3頭併せの中で他以上のタイムではあった。それでも、5Fから15秒前後のラップで、終い重点といった要素が色濃かった先週を含め、少々緩い。余裕残しの仕上げで通過できるようなら、大物扱いできるのだが……。
暮れの朝日杯フューチュリティステークスで2着だったミュージアムマイルには相応の敬意を払うべき。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。