ドバイと重なる分、GⅠとしては少々手薄になってしまう大阪杯だが、下剋上の余地がある混戦で食指が動くレースでもある。
その中、まず最初のテーマはベラジオオペラの連覇がなるか否か。
勿論、京都記念2着からの参戦だった昨年と異なり、今回はは有馬記念で惜しい4着と着実にレベルを上げている。その分、間隔は開いたが、ラスト2本がいずれも昨年を大きく上回る時計だった上に、中には3頭併せさえ。つまり、成長に則した稽古のレベルになったのが何より。
ただし、その昨年はレースの上がりが35.0秒と理想的な流れを味方に引き入れた結果。全幅の信頼とまではいかない。
◎候補は美浦勢から。まずはシックスペンス。
昨秋の毎日王冠だけでも特筆物だが、それ以上に凄かったのが前走の中山記念。内枠のアドバンテージでロス最小限ではあっても、測ったような差し切りにレコードのおまけがついた。
それだけではない。爪の不安明けで立て直しが容易でなかった分、本数は重ねていても坂路主体で如何にも緩かったのに対し、今回はDWを併用。特に、一気の負荷アップがあった1週前では、重心が沈む見事なフォームで搭載エンジンの違いを見せつけたし、流す程度だった今週などは、更に力強くなったストライドでの5F65.6秒。正に張り詰めた馬体のなせる業、デビュー以来一番のデキに。
同じ国枝厩舎、ステレンボッシュも。
マイルでのGⅠ制覇があるかと思えば、オークスでも惜敗と距離を問わぬオールマイティぶりがアピールポイント。しかも、初の海外遠征だった昨暮の香港ヴァーズでは、外々を早目進出と強い競馬で3着はレースのアヤとも総括できるのなら掛け値なし。
その香港以来となる今回。在厩での入念な調整が実を結んで、元よりのバランスに加え厚みが出て柔軟性に磨きがかかった。加えて、追走して外に進路を取ったのが今週の追い切りと、最後まで緩めるシーンなし。馬場が重くなる一方だった時間帯、8分処での1F12.0秒が体力アップの証にもなっている。
締めが坂路だったコスモキュランダは単走での55.7秒。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。