GⅠシリーズの口火を切る天皇賞・春は、スタミナが重要なファクターであると同時に、その檜舞台には底力も必須に。
それらを兼ねているのがジャスティンパレスということで異存はなかろう。
3歳時の菊花賞3着から一昨年の当レース制覇と、長距離実績を問えば追随を許さぬ存在として良いから。前走にしても、1000m57.5秒を真っ向勝負。2000mに対する時計の裏づけはあっても、天皇賞・秋と異なり、内回りでは忙しくなった分、むしろ見上げた0.4秒差と総括できる。
けれども、ピックアップした一昨年のこのレースは、今年に比べると手薄な感が否めず。間隔が詰まった点はあっても、直前が4F追いで行き出しが15秒を超えるラップという緩さにも少々不満が残る。
4歳勢の上げ下げを最大のテーマとして良いのでは。その中、中心に据えるのは前哨戦が衝撃的だったサンライズアース。
年明けから3戦消化と使い詰めを気に病む向きもあろうが、昨春のダービーを境に、立て直しに手間取った上での復帰。つまり、コンディション上昇にはレースを重ねるしかなかった経緯ゆえ、反動どころか、上昇一途とすべき。
特に前走は、馬の気持ちを最優先させる運びで、2周目3角で行きたい馬を前にやる落ち着いた対処もあって最後は離す一方の強さ。それが本格的な長丁場参入の初戦だっただけに、伸びしろといった点でも文句なし。
坂路で整えてからの締めがCWでの長目追いと、前回時同様の過程を踏めた上に、併せ馬での脚色劣勢とはいえ、追い切りタイムを詰める6F80.9秒。明らかになったばかりのステイヤー資質には信頼を置くべし。
関東勢で俎上に載せるのはヘデントール1頭で良いだろう。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。