2歳重賞の第二弾が今週の新潟メイン。唯、状態の良し悪しよりは完成度の高さやコース適性が優先されるのも事実。まして、人気を分け合う中、1頭は関西で対するは坂路専用のイスラボニータ。調教優先の当コラムとしてはその他からピックUPするしかない。
前哨戦になるダリア賞で推奨したのがマキャヴィティ。それまで2戦消化した上での進境度に魅力を感じたわけだ。この中間はオール坂路で最終追いは4F54秒1と軽目。角馬場で見かける限り、大きな上積みはないし、ハイPに対する我慢強さがあるとはいえ距離に限界がある体型。今回は狙いを下げる。
同様のことがデスティニーラブやユールドゥーにも言えそう。その組では最右翼となるのがマイネグラティア。前走は内回りで勢いづいた地点が既にゴール寸前。マイル経験馬に加え、直線の長いコースで息の長い末脚を存分に生かすタイプ。更に、デビュー勝ち後、体を緩めての臨戦がダリア賞。対して、今回は坂路のみで54秒1だったが、その直前には、Dコース入り、ガーネットチャームに伴って。しかし、キャンターに映るとその古馬より軽やかで活気でも上回る。一本芯が通った印象で筋肉がつき切っていなかった前走時とは雲泥の差。自然とペースが上がって後方待機の餌食になり易い傾向。ピタリと嵌るのでは。
ウッド追いがアポロスターズ。半マイルからの行き出しで4F55秒2。しまい重点の目論み通りラストは12秒2と鋭く反応、パートナーを3馬身切り捨てた。着実に上向いているのは確か。だが、まだ強い稽古をこなせないように完成途上で、外回りで長く脚を使えるかは未知数。
同じアポロでも栗田徹厩舎ムーンは急上昇。先週のウッドで質の高い併せ馬を消化したことが、最終調整の坂路1F11秒4に繋がったのではないか。しかし、流れ込みを狙う戦法では少々分が悪い。
コース追いに好調馬が多い日曜のレースは糸魚川特別。まあ、中京で高いポテンシャルを見せつけたタイセイドリーム中心の構図ではあるが…。ウッド3頭併せの最外で格上相手に1馬身先着のチャペルプリンセス。牝馬でも完全に軌道の乗っての中1週だけに不安皆無。唯、戦法が限られているのが不満。
稽古駆けするジーニマジックにポリで食い下がったマクベスバローズは一叩きの効果絶大。アロヒラニの活躍で前走を時計以上に評価しなければならないのは承知。状況が全て好転しているようにも映るが、果たして前走以上に速い上がりをマークできるのか?四肢が伸び切らないフォーム、フラットなコースでの切れ負けが危惧される。
そこで強調したいのが2頭。坂路50秒8と攻め強化のトルークマクト、1週前のウッド長目追いで馬を追い込んだことを考えると異例のハードさ。ローテの詰まった前走は直前の好走が反動を生んだ。立て直しが功を奏したと断言できる。
もう1頭はトーセンジャスティス。2週連続で併せ馬を消化し、直前は実にシャープな身のこなしで手応えにも余裕。荒れた時間帯のウッドで前走を大きく上回る5F68秒5も凄い。ノドの手術後は半ば様子見の仕上げ。本格的な始動が今回であり、デビュー前から垢抜けた好馬体が目立っていた素質馬。開花宣言。
土曜メインは芝1400のOP特別。やはり有力処は坂路に偏る。インプレスウィナーのウッド追いに期待したものの、5F73秒5で反応一息。同じく、これを2馬身追走の併入だったインディーズケーム(土曜10R)も目立たない。この宗像2騎に食指は動かぬ。
土曜は古町特別が面白い。常識的には降級3戦目になるガーネットチャーム。が、前走での0秒4差が決定的に思えるコスモソウタを敢えて推奨。2週続けてのDコース単走ながら、素晴らしいアクションに終始。一段と洗練された馬体に様変わりして今からが旬。
メリハリのない調整ぶりがカケダシ、調教駆けしても今さら驚けないジーニマジックに妙味なし。一変したのがネロディアマンテ。2週前、抽選除外の段階でも目立った動き。それからは微調整で十分なほど態勢が整っていたのだ。最終追いの併せ馬でも楽々68秒9で弾むようなフットワーク。実績ある新潟で復活を期す。
平場戦からは日曜12R。これは絞れる鞍。ポリでの単走ながら5F65秒7、上がりに至っては37秒を切ったバサラヴォーグ。中1週での好時計マークはシェイプUPの賜物。これに対抗するのがアメリカンダイナー。再三の併せ馬で豪快な動き。目下のところ、気を抜く悪い癖も見せていないから、むしろ間隔が開いた方が良いタイプに思える。
3鞍ある新馬戦では日曜5Rのガラッシアファータ。気品ある好馬体に加え、本馬場での併せ馬では追走の態勢から敢えて3歳の外に。内を圧するような動きで手応えも余裕綽々。軽やかでいながら、仮に追っていたとすればどこまでも弾けそうな気配を醸し出してのフィニッシュでレースセンスもそなえていそう。

柴田卓哉
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。