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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2015年03月26日(木)更新

昨秋とは全く違うデキ フェノーメノ

春のGⅠシリーズの到来を告げる高松宮記念だが、関東からのエントリーが2頭のみに加え、いずれもが坂路での追い切り。当コラムで取り上げようがない。概要だけ語るなら、昨年よりのレースレベルのレベルUPはなさそう。即ち、香港馬を含め中京1200に関して未知数な馬を探るのがアプローチとして至極妥当と考えている。

3場で4つの重賞レースが組まれている今週、調教というテーマに沿うという前提で最もスポットを当てるべきは日経賞。実力馬の復活成るや否やが重要だからだ。

春の盾3連覇に向けての好発進を遂げたいフェノーメノが登場。昨秋、天皇賞からの一連では案外。が、僅かに上昇の兆しが窺えたJCが一番の好内容という結果だから、この馬に関して見た目に嘘はない。

今回は先月下旬の帰厩直後からして違った。適度に膨らみを持たせた造りでいながら緩い印象はない。厳冬期とは思えぬ毛ヅヤでもあったのだ。実際、オールウッドで負荷をかけるメニューを課せられてもトーンダウンするシーンが微塵もなかった。先週までの6F追い2本でも四肢に力の籠もったダイナミックなフォーム。また、軽く流す程度の直前では5F67秒4を楽々とマーク。

鋼のような筋肉を纏っての身のこなしは迫力満点。脚元の不安による9ヵ月ぶりの実戦だった昨年とは雲泥の差と言える。勿論、大目標を後に控えているから余裕残しではある。従って、楽には勝たせてもらえないだろうが、今回の仕上りで首位争いに加われないようであれば見通しは暗くなる。

昨春に勢いを取り戻したいのはホッコーブレーヴも同様。何度もこの場で伝えたように、純然たるステイヤーではないから、相手弱化でもレースの綾で取りこぼしがあって不思議ない。追い切りはDコースで珍しく併せ馬を敢行。当然ながら追走する形で進んで直線へ。いつでも交わせる手応えながら相手を窺いつつのフィニッシュで併入。馬体の造りも動きも上々ではある。が、好調時にはポリで鋭さに磨きをかける調整を繰り返してはいなかったか?それに応えて柔軟性溢れる動きを披露していた時期に比べると少々物足りぬ。

その間隙を突けるのがクリールカイザー。年明けのGⅡ勝ちは明らかに展開の妙。しかし、はち切れんばかりの馬体を維持して稽古も高いレベルをキープ。5F65秒7での3頭併せだった1週前も圧巻。追走して外のコースを取った最終追いでは、充実し切った体を駆使して内の馬を呑み込むような凄い迫力。前走からの相手強化も気にならぬ

しまい重点のメニューが続くステラウインド、外厩で十分に乗り込んだことを思わせる。アピールポイントである洗練された馬体に磨きがかかったのが近走。それを維持できているのは確かだが、もう少し馬を追い込むようなハードさがあっても良いのでは。好調を維持している程度ではGⅡの壁に突き当たりそう。

同じ尾関厩舎というのならチャーリーブレイヴの方が面白い。こちらは、最終週を迎える中京の鈴鹿特別にエントリー。先週の長目追いでは先のステラウインドを1秒追走して併入と高密度。最終追いでは1馬身遅れも広いDコースで追えたのだから身体的な不安はない。確かに、去勢明けだから覚醒しきれていない部分はある。しかし、実質2階級落ち。コーナー2回に左回りの条件揃いで8分ならアッサリまで。この鞍では3頭併せで手応え抜群だったワイルドドラゴンにも注目したい。立て直しの効果を実感できたからだ。

日曜・中山メインは難解なハンデ戦のマーチS。関西勢が優位なのは間違いないし、◎はそのカテゴリーから選ぶとしてもマスクトヒーローのデキには触れなければならぬ。レースに行っての派手さはないし、重賞での実績も乏しいが、遡れば地方出身の馬。つまり、パンとするまでに驚くほど時間を要した遅咲きと見做せば過去は不問。現に、7歳とは思えぬ活気。追い切りでの3頭併せでは先頭との差が1秒6もあったのが5F地点、単走で終わらせても不思議ない状況から猛然と追い上げただけでなく、ラストでは一気に4馬身の差をつける豪脚を見せつけたのだ。やや見込まれた57キロでも面白い

他の特別戦からはミモザ賞を取り上げる。ここでの1番手はフロレットアレー。成長途上の段階でデビューしても大崩れがなかった性能に加え、一本芯が通ってきたのが明らか。ハロー明けの馬場状態で5F71秒3を気にかける必要はない。むしろ、字数に限りがなければ詳しく語って推奨したいスズカヴァンガード(1600万下、日曜・中京10R)を相手に食い下がっての併入でラスト12秒1と鋭い伸び。連勝を伸ばして波に乗る

もう1頭はタマモボレロ。3頭併せの最内から抜け出しての先着で直線での捌きは軽やか。ダートで勝ち上がったが、持続性のある脚を生かしただけで芝での限界を見たわけではない。シャープな身のこなしとなって使い込んでいる効果が目に見える点にも好感が持てる。

同じ3歳戦でもう1鞍。土曜6Rのアンブリカル。動きに切れがある反面、ひ弱さが残っていたのがこれまで。が、今回は中1週にも関わらず、ポリでシッカリと追えた。5F70秒2と遅い時計でもキビキビした伸び脚を見せていたし、フックラとした体をキープできてもいる。距離短縮での一変がありそう

あと、捨て切れないのがリターンストローク。高速設定のポリとはいえ5F63秒8は伊達でない。秘めたる能力をどう生かすかが掴めていないだけ。4走前は先を急いで自滅しただけに、直線勝負に賭ける手に出れば大駆けがあって不思議ない

プロフィール
柴田卓哉

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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