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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2015年05月20日(水)更新

見事なフィニッシュだったルージュBだが…

ショウナンアデラが離脱したことで3歳牝馬戦線はレベル低下。最たる例が桜花賞の1分36秒0。稀に見る超スローで力を発揮できなかった馬が大半だったとしても。とはいえ、府中で行われたTR2鞍からの台頭があるとも思えぬ。左回りでは別馬となるディアマイダーリンは好調キープ。が、ここ2週は馬なりでの単走で劇的な変化はないし、5F70秒6だったトーセンナチュラルに至っては体の維持に努めるのみ。

となると、東に関しては桜花賞組からのチョイスとなる。牡馬相手に当コースでの勝ち鞍があるルージュバックにとっては名誉挽回の1戦。前走時の追い切りは圧巻だったものの、3角からハミが抜けて制御が利かなかった。見た目の素晴らしさとは裏腹に少なからずの影響はあった筈。

ドラスティックな過程を敢えて踏んだのが今回。何と、外厩先に丸投げで美浦入りは先週の火曜。つまり、厩舎サイドには手を加えさせたくないとの本音。長目追いだった土曜と追い日の2本。最終追いなどは向正に差しかかってもセーブしていたから木曜に持ち越すのでは、との声が記者席で飛んだほど。

中身としては直線だけ。が、内を突いての伸びは圧巻で1Fでも4馬身後方だったのに一気に加速しての1馬身先着。ラストは11秒9であった。ゴムマリのような身のこなしが生む大きなストライドに加え、良質な筋肉を纏った体には厚みがあってそれが存分に躍動とパーフェクトなフィニッシュ。唯、これで結果が出るとなると、美浦での調教は全否定されたも同然。ヒロインに選びたくない気持ちはある。

阪神では躓いたキャットコインも巻き返しに余念はない。内目とはいえ、1週前に好時計マークとその時点で態勢を整えていた。だから、僚馬2頭とともにポリ入りした直前が単走になったとしても青写真通りだろうし、無理する様子が全くないままの3F37秒7がポテンシャルの証し。唯、どうも線が細く映る。その点で2400を乗り切るスタミナをそなえていないのでは。全てが上手く運んだクイーンCで負かした馬に逆転される恐れも。

それならば追い切りは坂路での52秒7だったココロノアイ。1週前のウッドで6F80秒を切る時計とレベルUPを図ったからだ。また、背中のラインが長くて滑らかな点から距離適性もある。問題は体型よりも気性ということになるから、道中でどれだけ我慢が利くか?自分との戦いがテーマ

土曜の府中メインはOP特別のハンデ戦で好調馬多数という難しいレース。マイネルミラノの1週前は圧巻の5F65秒台。また、直前は感触を確かめる程度でも外ラチ沿いながら1F12秒3という抜群の伸び。福島での大敗は体調面ではなくて作戦ミスだっただけということ。が、理想はコーナー4回で息が入れ易い設定。となると、中日新聞杯ではひと押しが足りなかったダノンジェラート

こちらは腰の薄い馬だけに力の要る中京が足枷になったから、高速ターフでの1F短縮で前進。新潟2週目の除外は痛かったが、その週に関してはそれを見越して追い切りも軽かった。単走で大外を回りながら楽々と3F39秒を切った直前では前肢が伸びやかだったし、馬体のハリからも上昇カーブを描いていると実感。ライバルは明け4歳勢。 

他の特別戦ではフリーウェイS。ここはマジックタイムを信じる手。杉原鞍上でも。定量戦で前回よりの1キロ増となるが、無駄を削ぎ落としたという風情。中2週でも併せ馬で外を一気に抜き去っての5F68秒1と中身が濃厚。ピンポイントの条件を見出して勢いが加速

変わり身を問うならセイクレットレーヴ。緩かった復帰戦は体裁だけの470キロ。しかし、今回のウッドでは5Fの入りが14秒2とハードに攻めた上でのラスト12秒9。必要部位に筋肉がついたからこそで体のハリが全く違う

叩き一変ということなら土曜12Rのウインフェニックス。休み明けで併せ馬での反応が一息だった前走を経て覚醒。直前の5F66秒7は余裕の手応えでの1馬身先着だったし、身のこなしが実にシャープ。本来、マイルでも脚の使い処が難しいだけに、初距離になる1400なら道中の斟酌は無用。切れに磨きがかかるのではないか。

早くも最終週を迎える新潟は日曜に照準。坂路調整が大半を占めるOPの直線競馬ではなく最終Rの1000万下。フラットな左回りが適条件のインストレーションが中心。一息後だった前走でも◎だったが、中1週にも関わらず力強いアクションでの5F67秒1。見た目に速さを感じなかった好時計の秘訣は非常に大きな完歩。柔軟性が増したに他ならぬ。

確かに、外に進路を取っての追い比べで1馬身先着と充実ぶりが露わになっているメジャーステップも魅力的だが、直接対決で下しているのだから、勝負づけは済んだと判断するのが妥当。鋭い逃げを打てるサクセスグローリーと待ってましたの新潟で切れを発揮できそうなゴダール。この2点が本線。

日曜にはマークしておいきたい馬がもう1頭。5R予定のクドースがそれ。デビューからの2戦で振るわなかったのは力を要すダートの忙しい距離が原因。その時点では窮屈なフットワークだったことからも適性外を叩きつつの良化待ちという事情もあった筈。シルエットが洗練されている上にゆったりとした馬体の造りだから芝向きは明らかだし、徐々に加速できる1800でこそ。追走して内にもぐり込んだ追い切りでは余裕の5F68秒5で身のこなしがシャープになった。

同じ3歳、同系の栗田博厩舎からはルグランパントル(土曜・早苗賞)。輸送を控えて5F72秒を超える時計だったが格上相手の先週が高密度だったし、両側からサンドされた状況にも関わらず最後まで怯むシーンは微塵もなかった。気性面の成長でレースの幅が広がったし、新潟とはとても思えぬパワー不可欠の馬場コンディションはピタリ

プロフィール
柴田卓哉

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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