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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2015年09月17日(木)更新

弥生賞の再現がありそうなブライトE

恐らく神戸新聞杯よりもメンバーが落ちるセントライト記念は、5日目の競馬だけに追い切りは木曜に集中。しかも、1度目のハロー明けに続々と消化した。春後半には2連勝と波に乗ったジュンツバサは、向正出しのしまい重点。古馬1000万下を追走して内にもぐり込む形でスパート。勿論、しまい重点だっただけに1F12秒3の速さは当然としても、前肢のかき込みが実に力強い。充電を経てのパワーUPを示したのだから底知れぬ部分はある。が、寸の詰まった体型だから外回り2200で真価発揮というタイプでないのは確か。

正面からウッド入りしたのがタンタアレグリア。3頭縦列の最後尾からの行き出しで、その態勢は直線に向くまで続く。ラスト1F手前から鞍上に促されると一完歩ごとにストライドが広がって確実に伸びた。1F12秒8で道中は2番手にいた古馬OPをアッサリ突き放したほど。直前が5F71秒を超える時計だったにしても中身は濃厚でひと夏を超えての成長を実感できる。唯、もう少しアクセントのある体型になって欲しかったのも事実。強力な関西勢の牙城を崩すまではどうか?将来性を問えばNO.1との個人的な見方が採点を辛くしている気もするのだが…。

となると、既成勢力であるブライトエンブレムが東の筆頭。古馬2頭を前に置いてのスタート、4Fで先頭との差は1秒2。余裕を持っての追走だったが、それはゴールを迎えても同様。洗練された馬体を駆使してのアクションで同時入線だったが、少しでも気合いをつけていれば大きく先着した筈。それほどまでに他2頭とのスケールが違うのだ。強い調教を1週前に終えたから、しまい重点の4F56秒3は目論見通り。差しの利く今の馬場なら弥生賞の再現を見込んで良い

ここに向けて3週連続で坂路だったミュゼゴースト(直前は4F55秒0)に関しては評価を避けたい。唯、福島の2着に額面ほどの価値はないと考える。同じ冠名ならミュゼエイリアンの方に望みがある。こちらは水曜が最終調整で黒岩厩舎特有のハロー明け4F調整。しかし、パワフルな動きを見せる同世代の1000万下を並ぶ間もなく交わして1馬身先着。春には見られなかった回転の速さで大駆けの期待は高まる

あとは田村康厩舎のロッカフェスタ。こちらもタンタAに並ぶほど将来性豊か。2戦2勝と底を見せていない上にセンス抜群の走り。同馬としては水準の5F67秒3だったから及第点を与えて良い。しかし、格下とビッシリ併せたわりに脚色で劣ったのは頂けぬ。現時点での格上挑戦は荷が重い。

3日開催で多く組まれる特別戦で最も気があるのが、そのロッカフェスタのパートナーを務めたニーマルキング(土曜・古作特別)。行き出しから互角の条件で外に合わせるコーナーでのロスがありながら最後には‘おいでおいで’素晴らしい身のこなしでブランクを感じさせぬどころかひと皮剥けた印象。元々、中山マイルでは見違えるほどの強さを発揮していた。自身のレベルUPが確実ならば、当時の時計からの大幅短縮が濃厚。

降級のマリーズケイはウッド5F68秒6を余裕でマークしたほどだから態勢は整う。また、ポリ5F71秒0と時計は平凡だったが、テンションを抑えられた上に軽快だったサクラディソールが普通なら強敵。唯、3歳主力と考えて本線はメイショウメイゲツ

他では土曜メインの準OP戦。ビッシリ追ったカムフィーには魅力を感じるが中山では展開頼み。ここは菊沢厩舎のワンツーまである情勢。しまい重点ながら4F52秒4と速い時計をマークしたダイワリベラルには抜群の安定味がある。唯、それより魅力的なのがサクラボールド。札幌での抽選除外があったから微調整程度で十分なのにDコースで渾身の追い切り。得意の北海道では案外だったが、年齢を重ねてズブさが出てきている分、今となっては小回りより中央場所

ここからは平場戦。500万下では日曜7Rのバスティードを推奨。北海道で旬を迎えた4歳。特に、距離不足ながら1秒2と着順ほど内容は悪くない前走はレースレベルが高い。コーナー6回で追走に余裕が生まれれば違う筈。しかも、追い切りでは先行したといえ、3歳に脚色優勢。その相手がマッサビエル(3歳1600万下)だから価値絶大。自身の今のポジションより上でなければなし得ぬ業。

同じ500万下で日曜最終Rのビービーボイジャーが急上昇。木曜、3頭併せで先頭からの差が1秒2あった4Fスタート、内から瞬く間に抜け出した挙句、素晴らしいアクションで他2頭に大差先着だったのだから叩いた効果絶大。今回の距離短縮を思えば前走はあくまで稽古代わり。

高柳厩舎→伴のラインでもう1頭挙げたい。土曜6Rのイザ(編集部注・抽選除外)がそれ。最終追いは坂路での55秒6と目の当りにできなかったのだが、1週前のウッドが圧巻。470キロ台には映らぬからもっと必要部位に筋肉が欲しい段階だし、前捌きが硬い面もある。しかし、逆にダート向きと言えるし、1200なら身体能力の高さでクリアーできるのではないか。常識的にはシャープな動きを見せるリアリゾンルレーヴ◎なのだが…。敢えて狙ってみる。

同じ新馬で興味深いのが土曜5R。一長一短となるが、古馬相手に互角以上の併せ馬が再三再四というケイアイダイチャン(編集部注・抽選除外)の能力は高い。唯、持ち味を最大限生かせるとすればスプリント戦ではないか。マイルでは隙が生じて不思議ない。

ここはコスモダヴァンティ。夏前のデビューを目指したが一頓挫あっての再仕上げ。唯、骨格がしっかりしての帰厩で、普通の2歳ならフォームを乱して良い馬場でも安定した走り。また、直前の併せ馬では余裕の手応えで鋭さも増した。実戦向きの勝負強さも兼ね備えているのが何より。

プロフィール
柴田卓哉

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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