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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2016年01月28日(木)更新

東京開幕週 勝負処は3歳戦

東西で重賞が組まれているが、大半が坂路メインという状況で当コラムとしては手の出しようがない。根岸Sでも目の当たりにできたのはレッドファルクスのみ。1000万下をアッサリあしらっての3F36秒台がDコース。‘さすが’の動きだったが能力的にどうか?

そのレース、モーニンが人気を集めそうだが、歴戦の古馬に混じってタイトなマークを受けそうな立ち位置。疑ってかかるのも手。ならば、同じ武蔵野Sでそれを負かしているタガノトネール、馬体充実の上にレースにも幅が出たプロトコルに食指が動く。または、少々重目が残るものの、久々の中央場所になるレーザーバレット。昨年は大負けだったが、しまいに賭ける決め打ちが嵌れば通用する筈。◎候補はこの辺りか。

古馬のレースなら日曜・節分Sにスポットを当てたい。現級2着が府中での1分33秒4というピオネロが支持されるのは仕方ない。が、自らレースを造れぬから隙はある。

2度目のハロー明け、2頭併せの内で抜群の切れを披露したマジックタイムが唸っている。鞍上のアクションに即反応しての1F12秒4と抜群の伸び。ベストの条件で首位争い必至。人気薄のメドウヒルズは鹿戸流の軽目だがリズミカルな捌きでリフレッシュ効果覿面。持ち時計勝負になる開幕週なら見限れない

しかし、ここは未来の明るい4歳により大きな魅力を感じる。再三の併せ馬で休養前以上のパワーを感じさせたのがロジチャリス。外目のコース取りで2週連続の5F67秒台というのが凄いし、垢抜けた馬体を駆使した豪快なアクションに磨きがかかった。現状では追いかけられる形で能力を最大限生かす気性だから、松岡騎乗というのも好材料。

ライバルになりそうなのがキングカラカウア。昨11月以来となるが、力感溢れる馬体と身のこなしながら実に軽やかといった個性が伝わってくる中間。元々、OPは確実と思わせた器で出世が想定より遅れているといった現状。実際、最終追いの3頭併せでは、ノンコノユメを凌ぐ。当然ながら太目感はないし、まとっている筋肉も良質。追ってからの物足りなさを補うのがデビュー戦以来となるマイル。新境地開拓か

日曜8Rの1000万下はマッチレスヒーロー。6Fからビッシリ併せた実戦並みの追い切りで実に力強い動き。暮れの中山では詰めが甘かったものの、アクセントをつけるレースができるのがコーナー2回の設定。充実期に突入とあれば取りこぼしは許されぬ

ここからがメインテーマに。まずは土曜のクロッカスS。マイル以下の路線を占う重要な1戦。関西馬の強力だが、美浦組のラインUPも充実。5Fで3馬身追走の形ながら敢えて外の併せたショウナンライズは相変わらず見栄えのする馬体と動きで、中身が一層充実といった印象を受けた。前走のGⅠでは制御が利かなくなった自滅。サウスポーで1400がピタリという見立てなら度外視できるし今回こそ試金石

この条件での勝ち鞍があるトウショウドラフタは順調そのもの。昨夏、ソエに悩まされていた時分とは一変している。それが前走に表れているし、ここ目標の入念な調整。直前はしまい重点だったが、1週前のポリが圧巻の5F64秒7。今回も末脚が冴える筈。

坂路で追ったドーヴァーの能力も高い。唯、ここで狙いたいのがオデュセウススプリンターという見立ては捨てて良い。バネを感じさせる身のこなしと安定したフォームから融通性はあるし、古馬準OPを4馬身追走して併入に持ち込んだ追い切りは濃厚。手応えが劣ったのは当然で内容は3歳の水準を遥かに凌駕している。京王杯での差す形が飛躍へのヒントになろう。

土曜7Rは平場戦とは思えぬメンバー。3週にわたる併せ馬でデビュー時より洗練された動きを見せたグラスアクトは外せない。もう1頭がドゥラリュール。休み明けの前走はイレ込んでレース前に終わっていた印象。叩いてのガス抜きがなった筈だし、前向きな気性がマイルでの一変を示唆している。1週前にはラストでバテたが直前は鞍上との呼吸も合ってスムーズな動きに終始。つまり、調教でも跨っている横山典が手の内に入れたと判断して良い。試運転に徹して前走が布石となっている。

土曜1Rのヨンカ―は久々。唯、古馬2頭にサンドされた直線でも抜群の勝負根性で外には2馬身先着。そもそも、デビュー戦が見切り発車で2着。それより数段上の稽古を易々消化できたのなら課題はどんな勝ち方をするかだけ

新馬戦ではまず日曜3Rのラーリオ。水曜の朝一番というのが定番となってラッシュの最中ということになるが、その中にあっても一際目を惹く動き。スピード感溢れる道中も凄いし追っての味もある。抜群の身体能力を生かせている故で器が違う。実際、ここ2週の3頭併せでは最後尾から追走という高いハードルを難なくクリアー。3歳1勝クラスに能力の違いを見つけた追い切りが将来性を物語る

日曜5Rは坂路で51秒6をマークしたレッドアルカナが人気。能力は承知しているものの、穴目を狙うなら同じレッドでもレッドイグニスで。鹿戸厩舎だけに時計は目立たぬがレベルを上げても動じない点で実戦向きだし、バランスも良い。ワンペースの走りだけに1800という選択もピタリ。唯、権利を持っていないだけに除外の恐れも。確実に出走できる馬ではセイザンナガラスマイル。いずれも人気薄だが、乗り込み入念で初戦こそといったタイプ。時計には表れない動きの質といった点からも目を離せない。

プロフィール
柴田卓哉

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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