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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2016年09月08日(木)更新

古馬相手の55キロでもロードクエスト

降ったり止んだりの空模様で力の要るウッドのコンディションとなったのが追い日の水曜。その最中に京成杯AHの有力処は最終調整を済ませた。

通常と違うパターンで臨むのがカフェブリリアント。先週までは反応が鈍くて感心できなかったが、5F追いで入りからして14秒3のハイラップだったから意欲的。直線では両サイドからプレッシャーを受ける態勢でも余裕綽々、手応え抜群での1馬身先着で一気に良化。追い切りを前倒しにしたことで今後の微調整が容易い点も好材料。

逆に、復活が待たれるダノンプラチナはトーンダウン。確かに、セントライト記念を目標にしているプロディガルサンの充実が著しいから内容で見劣るのは仕方ない。しかし、2馬身先行のアドバンテージがあったとは思えぬ直線の動きで5F69秒1は平凡。弾力性のある身のこなしが見られないことで8分に達したか否かといった程度。

GⅠゼッケン着用馬がもう1頭、斎藤誠厩舎に移籍したクラリティスカイがそれ。一瞬でも伸びかけた関屋記念に復調の兆しを見て良いし、一杯に追う外を尻目に2馬身先着と力強さをアピール。が、どうもトモが薄く映るシルエットで歪に感じる体型は相変わらず。実績相応のハンデ(57.5)では身動きが取れぬ恐れがある。

同じようなことがダイワリベラルにも。春には同じGⅢで4着と素直に考えれば圏内。2度目のハロー明け一組目の併せ馬で追走して1馬身先着だったが、4F54秒3では中身が薄い。中間も動きが重く感じられる上での目立たない最終追いときては食指が動かぬ。

4歳以上ということなら勢いのあるペイシャフェリスではどうか?前走時も当欄で取り上げたほどの具合の良さが続く。元々が稽古駆けするタイプではあっても5F66秒4を楽々とマーク。それで中1週だから充実ぶりが分かろう。しかも、中山マイルに対しては持ち時計が示す通りの適性ぶり。自分のペースで進められそうなメンバー構成も後押し。

しかし、3歳優位は拭えないのではないか。その最たるがロードクエスト。一段と幅の出た馬体となっての帰厩。小島茂厩舎だけに目立つ時計こそないが、5Fで1秒追走の態勢から内にもぐり込んだ直線では重心が沈み込む見事なフォームでのフィニッシュ。左回りがベターなのは承知だし、スプリングS3着を過大に評価するのは危険。けれども、コーナー2回で道中の消耗を避けられるのであれば、古馬相手でも鬼脚がモノを言う

これの強力なライバルになり得るのがトウショウドラフタ。1400が理想でマイルにおけるロードクエストとの勝負づけも済んだかに見える。唯、先行2騎を置き去りにした1週前も凄かったが、2度目のハロー明けは雨に祟られた時間帯。6F81秒0でラストも12秒6なら文句なし。豪快なストライドでひと皮剥けたと実感できるのであれば狙う価値はある。直線の短い中山なら距離克服は可能と判断

土曜メインは秋華賞TRの紫苑S。が、例年通り次週のローズSに比べると小粒な感は否めない。となると、ビッシュワンサイドまであり得る。何せ、流れに乗れたオークスでは3着で、それがキャリア4戦目だったから非凡。目立つ時計を出さずに仕上げるのはデビューからのパターンで、最終調整が5F70秒を超える時計でも心配無用。それより無駄肉のない体つきでの帰厩が放牧先での進み具合を物語る。キビキビした捌きでフレッシュな状態。

実績というならGⅠ2着のあるウインファビラスとなろうが、春後半の低迷から立ち直ったとは言えぬ。計4頭が雪崩れ込んだ追い切りではコースロスがあったとはいえ、1F13秒6での2馬身遅れ。本来は稽古で実に軽快な動きを披露するだけに物足りない。馬場の荒れた時間帯に5F66秒2で動いたゲッカコウ、パワフルではあっても一気に走ってしまう点で洗練されたとは言えない。以上の2頭は成長力に疑問符がつく。

それならば堀厩舎の2騎。直前は互いにパートナーとなってのしまい重点。シークザフューチャは華奢な面が解消されつつある。しかし、これより早い段階から仕上げにかかった中間を顧みるとルフォールに魅力を感じる。上質な筋肉をまとっているからこそ、一完歩ごとの体の運びがスムーズで鋭い。キャリア不足に泣いた休養前とは一線を画す

他では1000万下に照準。まずは土曜の松戸特別でミッテルレギ。北海道での芝2600戦は論外でポリでの実に軽快な動きから状態は間違いなく良いと見做せる。問題は気性で逃げる形でないと極めて脆い。今回はアースコネクターが4節で抽選対象。こちらの出走が叶わないのであればマイペースで進められる。

日曜の最終Rは、このクラスで最上とも言えるメンバー。素直に考えれば、新潟での好時計からドラゴンゲート。唯、相手が強くなると案外なシーンもあり得るタイプで数字通りに走れるかは疑問。それならスミレ。小兵だが四肢に力が漲る捌きで、加藤征厩舎にありがちなダート馬。実際、春の京都では濃厚な中身で現在の1000万下なら元値は上

追い日の3本とも5F70秒を超える時計だが、気の良い馬なだけに強い稽古でストレスをやり過ごした過程にはむしろ好感が持てるし太目感なし。相手も3歳。2歳暮れの中山500万下での1分11秒台を記録した2頭。特に、スリラーインマニラは好仕上がり。最終追いのしまい重点では動きに余裕があった。キビキビした捌きで先々展望さえ開けている。

2歳戦は日曜1Rのムーンドロップ。前2頭を大きく追走しながらもラストではそのビハインドを感じさせぬ脚色でのフィニッシュ。初戦はハンドルが利かないまま終わってしまったが、スピード自体は上々。少なくとも右回りのウッドでは気の悪さを出していないし、集中力が持続する短距離に替れば潜在能力を出し切れるのでは。

新馬戦は日曜5R。ウッドで古馬と互角の動きを披露したアインシュタインには5F71秒7という数字以上の評価を与えるべき。垢抜けた好馬体でバテない強味を感じさせるタイプだから、芝2000の選択は正解。また、追い切る前に芝コースでキャンター。その動きから、開幕週の軽い芝もピタリ

日曜6Rのダート戦、リヴァイサンは古馬1000万下に対して3馬身先んじた上に手応えにも余裕。5F65秒4の時計は信頼できる。が、敢えて穴狙い。去勢済みのイーゼルは見た目通り実にパワフルで馬体の造りからして2歳とは思えぬほど。気性難はつきまとうのは承知。唯、それに目を瞑っても良いほどの潜在部分に魅力を感じる。相手本線はバトルサンバ。併せ馬で勝負強さを感じさせた上に時計も水準以上。追っての反応も良く、センスを問うならこれ

プロフィール
柴田卓哉

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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