中山と中京組まれている3歳重賞が今週の目玉で、まずは中山のスプリングSから。朝日杯のワンツーが顔を揃えるということで、例年以上の豪華版と映るが必ずしも皐月賞に直結するレースでもない。NHKマイルCとの両睨みという要素があるからだ。
中でもサトノアレスは暮れのマイルGⅠを制覇。3歳を迎えてのスタート地点がこことなる。2月中旬からの始動で水も漏らさぬ仕上げ。実績馬として恥ずかしい競馬はできぬとの気構えが表れている。加えて、木曜にズレ込んだ最終追いでも3頭併せを敢行して5F69秒0。切れのあるフットワークで非の打ちどころがないのだ。唯、胴の詰まった体型で距離には限界がある。少々疑ってみたいウィークポイントだ。
それならばアウトライアーズ。ここ2週は半マイルからのしまい重点だが、直前には3頭併せを消化。それも4Fであった2秒差を楽に追いついてのフィニッシュだったから中身は濃い。何と言っても豪快な身のこなしが性能を物語っているわけで、力強いかき込みが推進力の源。確かに、まだ体を上手く使えているわけではないが、無駄の多いレース運びながらカデナとハナ差だった11月・府中がある。世代トップを狙える器で、中山でのコーナー4回を経験している点も心強い。
馬なりで4F51秒5、内で目一杯になる古馬を尻目に余裕の手応えだったウインブライトは絶好調。相手が軟弱だったとはいえ、次元の違いを見せつけた前走は時計も優秀で、再度の同条件となれば上位に迫ろう。唯、12月・ひいらぎ賞勝ち馬との格差を埋めるまでには至らないのでは。
共同通信杯で賞金加算が成ったエトルディーニュは良い意味での平行線。力の要る馬場での4F57秒6なら稽古駆けしないタイプとしては十分だからだ。ボリュームこそ感じないが均整の取れた好馬体を維持しているし、使いつつのレベルUPも確か。中山替りがプラスとは思えないものの、軽く扱うべきではない。
月曜のフラワーCはファンディーナに抵抗する術を持たぬ。初コース、長距離輸送、コーナー4回と突っ込もうと思えばその材料に事欠かぬが、抜群の身体能力ならクリアー。美浦での期待を背負うのがハナレイムーン。厩舎の第一弾に登場しての併せ馬が木曜。牝馬の直前ということがあるし、細身で仕上げに手間取らないタイプだから5F70秒1なら十分で、手応えに余裕があった。しかし、追走の形から置き去りにされて結局は単走となった1週前が感心できぬ。ここ2走に比べて歩様が硬い故ではないか。最終追いで間に合うには間に合ったが自信を持って推奨するまでには至らない。
逆にサクレエクスプレスには休養効果がある。暮れの500万下は揉まれて力を出せなかっただけで限界というわけではない。しかも、調教の質をUPさせた中間があって弾力性のある馬体。しまい重点だった追い切りにしても楽々と4F53秒4。一本芯が通った今なら格上挑戦でも。
掴み処のないレースとして名を馳せるのが中京・ファルコンS。ここは……(続く)
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柴田卓哉
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。