先週水曜日(7日)に全国一斉梅雨入りの発表があったものの、今週末も晴れて気温も上がる見通し。2場とも夕立ちはあるかもしれないが、大勢に影響はないだろう。また東西とも多少風がありそう。
【東京芝】
■ほぼ夏芝で見かけより速い芝、やや内有利、やや先行有利
《Cコース3週目》
先週は木曜日に4ミリ降ったが、晴れが続いた割に散水も少なかった。そのため芝が速くなり、土曜日は0.3秒前後速かった。日曜日は0.8秒前後速かった。
東京は4大場で唯一内外回りがないので、少ない開催数でも芝が傷みやすいように見える。とりわけ向う正面の3コーナー寄りから3~4コーナー中間にかけては馬が内に寄って行くところなので、すぐに芝の表面が剥げてしまう。だが最近は温暖化のせいか6月でも真夏に近い気温で、芝も野芝の比率が高まっている。
夏の野芝は地下茎が充実していて丈夫だから、剥げた表面の下の地下茎は無傷に近い状態で残っていても不思議ではない。現在の芝はたぶんそのような状態で、内の有利、先行馬の有利はまだしばらく続くと考えられる。
先週の金曜日以来雨が降っていない。そのぶん火曜日から連日散水しているので、芝の速くなり方は多少抑えられるハズ。だが前述したように芝の傷みは表面だけで、まだまだ芝は速い状態を保っている。土日とも0.6秒前後速い時計を想定する。やや内有利、やや先行有利。
【東京ダート】
■カラカラに乾いた力の要る馬場。やや外有利、やや先行有利
先週は先週は木曜日に4ミリ降っただけで、ほぼ晴れが続いた。砂も乾いて、土曜日はタイム差なし前後の時計だった。日曜日はさらに砂が乾き、0.3秒前後遅い時計になった。
梅雨入りしたにも関わらず先週の金曜日以来雨が降っていない。まともなら今週は先週以上に砂が乾いているはず。カラカラに近い力の要るダートになり、0.5秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。
【阪神芝】
■八割方夏の野芝で速い芝コース。内有利、逃げ・先行有利
《Aコース2週目》
先週は毎日散水していた上に、木曜日の夜には集中豪雨的に17.5ミリ降った。だが土曜の馬場発表は最初から良で、土日とも1秒前後速かった。夏の芝らしく八割方野芝に切り替わり、状態も見るからによく、土日を通じて馬群は内ぴったりを走っていた。
今週は梅雨入りした水曜日に1日中降り続いて27ミリ、木曜日にも1ミリ降ったが、金曜日に散水しているところを見ると、芝はもう乾いているのだろう。気温もかなり上がるはずなので、先週並みに速くなると考えられる。土日とも1秒前後速い時計を想定する。内有利、逃げ・先行有利。
【阪神ダート】
■ある程度乾いた遅めのダート。土日ともやや外有利、逃げ・先行有利
先週は木曜日に17.5ミリ雨が降った。土曜日は午後までには良に変わると予想したが、終わってみれば1日中稍重だった。1日を通じてほぼタイム差なしだった。日曜の朝から良になり、0.3秒前後遅い時計になった。ほぼ予想通りの時計で、砂の状態は前の開催までとほぼ同じと考えていいようだ。
今週は水曜日に27ミリ、木曜日にも1ミリ降った。降ったのが先週より1日早いが、降水量は今週のほうが多い。土曜は稍重~良で、時計もほぼ先週並と考えて、タイム差なし前後の時計を想定する。日曜は0.3秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、逃げ・先行有利。

城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。