遠い太平洋上に停滞している強い台風15号が、本州との距離を保ったまま週末ゆっくり北上しそうだ。この台風が三場に雨を降らせることはなさそうだが、台風との位置関係で日曜の札幌は風が強くなりそうだ。
【新潟芝】
■使い込まれているが芝の状態上々。やや差し有利、やや外有利
《Aコース6週目》
先週は火曜に10.5ミリ、水曜日に0.5ミリ、木曜日に27.5ミリ、金曜日に34.5ミリと降り続き、土曜の午前中にも9ミリ降った。土日は晴れたものの、土曜の1・2Rは重、それ以降は稍重発表になった。土曜日の時計はタイム差なし前後だった。それに対して日曜は朝から良で、時計は0.3秒前後速かった。
土曜は含水だけ考えればもう少し遅くなってしかるべきところ、現在の新潟は芝の状態がよく、またハイペースのレースが多かったこともあって時計が速めに出たようだ。ただし向かい風が吹いていたり、いろんな要素が錯綜しているので、数値的な補正はしない。日曜は逆にスローペースが多かったので、本来ならもう少し速かったと考えることもできる。
今週の中間も火曜6.5ミリ、水曜2ミリ、木曜1.5ミリと連日降ったものの、雨量自体は少なくタイムへの影響はそれほどないはず。土日とも良で0.7秒前後速い時計を想定する。やや差し有利、やや外有利。
【新潟ダート】
■乾き気味で力の要るダート。やや先行有利、内外互角
先週は火曜から金曜にかけて連日雨になり、土曜の午前中にも9ミリ降った。そのため土曜は一日中重だった。時計がかかりがちなセッティング+向かい風の影響が強く時計は0.6秒前後遅かった。日曜は朝から晴れて1~4Rが稍重、それ以降は良になった。時計はタイム差なし前後だった。
ダートは同じ産地の砂であっても産出する区画と算出年ごとの違いにより砂質に差が微妙にあり、砂の入れ方の加減もあるので、毎年時計が少しずつ違う。何度か書いているが、今年の新潟のダートは多少時計がかかり気味で、とくに重・不良であまり速くならないケースが目立っている。ちなみに当方ではタイムは明らかなスローペースを除いた過去3年の良条件の平均タイムと比較している。
今週の中間も連日小雨が降ったが、今年夏の新潟はだいたいこの程度は降っていたので、とくに今週速くなりそうな気配はない。土日とも良で0.5秒前後遅い時計を想定する。やや先行有利、内外互角。
【小倉芝】
■芝は軟らかめ、3~4コーナー内がやや傷み加減。内外互角、やや差し有利
《Bコース2週目》
先週は中間は晴れていたが、土曜の競馬開始前に18ミリ降った。土曜日の芝は7Rまで稍重で、9R以降良に回復した。時計はタイム差なし前後だった。芝の状態が良かったためそれほど遅くならなかった。日曜日は朝から良で、0.2秒前後速い時計になった。
先週の土日に含水高めの馬場で15レースも消化したため、3~4角の内めがやや傷んだようだが、直線の内めはまだそう悪くなってない感じ。今週の中間は雨が降らず、土日も晴れそう。とはいえ中間連日散水していたので、乾いて速くなるとはあまり考えないほうがよさそう。土日とも良で0.3秒前後速い時計を想定する。
【小倉ダート】
■乾き気味で多少力の要るダート。やや先行有利、内外互角
先週は土曜の競馬開始前に18ミリ降り、土曜のダートは8Rまでの3レースが重、11Rのみ稍重になった。時計は1.8秒前後速かった。日曜は一日中稍重で、時計は0.8秒前後速かった。
今週は中間に雨が降らず、土日も晴れそう。乾き気味のダートでタイム差なし~0.3秒前後速い時計を想定する。やや先行有利、内外互角。
【札幌芝】
■洋芝が練れて力の要る状態になり、内の傷みも顕著に。内外互角、やや差し有利
《Cコース3週目》
先週の札幌は火曜日に25ミリ、木曜に1.5ミリ、金曜にも5ミリ降った。降水量自体はそれほど多くなく、土日も晴れたが、全体に内めの傷みが目立っていて、時計は土日とも0.6秒前後遅かった。
今週は火曜日に3.5ミリ降っただけで、その後は晴れ、週末も雨はなさそう。先週より降水は少ないがその分散水も多いので、同じ程度の含水のはず。洋芝の路盤がある程度練れて軟らかくなっているので、先週以上に速くなるとは考えづらい。土曜は0.7秒前後遅い時計を想定する。日曜は芝の傷みがさらに進行する上、台風の影響で強風が吹きそう。0.9秒前後遅い時計を想定する。内外互角、やや差し有利。
【札幌ダート】
■位置取りが優先するやや力の要る良馬場。逃げ・先行有利、やや内有利
先週は火曜日に25ミリ、木曜に1.5ミリ、金曜に5ミリ降り、土日はきれいに晴れた。土曜は一日中稍重で、タイム差なし前後の時計だった。日曜は一日中良で、強めの向かい風の影響もあり、0.4秒前後遅い時計だった。
今週は火曜日に3.5ミリ降っただけで、その後は晴れ、週末も曇り~晴れで雨は降りそうもない。乾き気味で力の要る状態で、土曜はタイム差なし前後の時計を想定する。砂の状態は同じだが日曜は風向きはともかく台風の影響で強風が吹きそうで、0.3秒前後遅い時計を想定する。逃げ・先行有利、やや内有利。
城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。
城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。