今週からJRA-HPの「馬場情報」欄のレイアウトが変わって、芝の馬場写真がトップに表示されるようになった。
先週までの掲載位置は「馬場情報」欄のお尻で、しかも開催を通じて同じ写真が掲載されていたが、今週は掲載位置が目立つところに移動しただけでなく、写真自体も新しく撮影したものに差し替えられている。
現時点では期待半分だが、今後、馬場写真が毎週新しいものに差し替えられていくことになるとしたら、これは競馬ファンのみならずあらゆる競馬関係者にとっての朗報で、画期的なサービス向上になることは間違いない。是非注目してみてほしい。できれば写真をクリックした際に写真が拡大表示されるようにして貰えるともっと嬉しい。
それと、この際なのでもう一つお願いしたい。馬場硬度を発表しろとか、馬場状態の発表区分をもっと細かくしろとか、そんな面倒な注文ではない。「馬場情報」欄のバックナンバーをいつでも検索・閲覧できるようにしてほしいのだ。非常に簡単に実現できることのハズだが、これもまた誰もが待ち望んでいることだと思う。
さて今週は3日連続開催になるが、強力な台風が九州の西南にある。南シナ海にいるうちは台風のスピードは遅いが、土曜の夜に九州に上陸すると加速し、日曜から月曜にかけて列島を縦断する見込みだ。
土曜中山の天気は開催中はどうにか持ちこたえそうだが、阪神は土曜8時現在すでに雨脚が強くなってきている。さらに日曜は台風通過の真最中になるので、2場とも相当量の雨が降りそう。とくに台風に近い阪神は風も強くなるはずで、開催順延になる可能性もかなりあると見ている。
月曜の阪神は午前中のうち雨が残ったとしても、午後には晴れそうだが、意外と台風のスピードが上がらない場合、中山には雨が降り続く可能性がある。雨が上がったとしても強風は残りそう。ちなみに日曜または月曜の開催が順延になった場合、2場のどちらにしても火曜はほぼ晴れと考えていいハズ。
今週は風が強いだけでなく、台風通過の前後で風向きが変わることに注意。また雨の降り続く中での三連続開催になるので砂が内に寄る可能性があり、出目傾向にもとくに注意すること。
【中山芝】
■やや軟らかめも状態最高の芝(土)、先行有利、内有利
→含水高めで上がりがかかる芝(日)、内外互角。先行差し互角
→含水高く追い風強い(月)、内外互角。やや先行有利
《Bコース2週目》
知っている人は知っていることだが、中山は毎年Bコースから秋の開催をスタートする。これは出走ラッシュになる暮れの中山を出走可能頭数の多いAコースで行うための工夫である。とくに内回りを使う距離ではA→B→Cとコース幅が狭くなるにつれて1頭くらいずつ出走可能頭数が少なくなる。
先週は月曜から金曜まで数ミリずつ雨が降った。週末は晴れて土日とも良発表で、時計的にも土日とも0.9秒前後速かった。ただし土曜日はスローペースで前残りが多く、日曜は差しが多く決まっていた。
今週は水曜日以降雨が降っていない。芝の状態だけでいうなら、密度が高く生え揃ってはいるが、路盤はやや軟らかめで、見た目より多少時計のかかる芝、という評価になる。土曜は開催終了まで雨は降らないか、後半の数レースのみ弱い雨が降るものと考えて、0.5秒前後速い時計を想定する。内有利、先行有利。
日曜は相当量の雨が予想される。開催した場合、目いっぱい遅くなると考えて、2.5秒前後遅い時計を想定する。
月曜も台風のスピード次第では雨が残る可能性はあるが、ここでは雨は上がるものと考える。とくに月曜は強風が予想されるものの、追い風または横風になりそうなので、差し引きやや遅め程度の時計に収まりそう。1秒前後遅い時計を想定する。いずれにせよ含水の高さ(=芝の軟らかさ)は内外同じなので内外互角、土日は先行差し互角、追い風が強そうな月曜はやや先行有利。
【中山ダート】
■多少含水ある良(土)、やや外有利、先行差し互角
→目いっぱい含水した重~不良(日)、やや外有利、先行差し互角
→目いっぱい含水した重~不良(月)、やや外有利、やや先行有利
今週は木曜に2.5ミリ、金曜に2ミリ降った。そのため土曜の午前中は稍重で、午後から良に回復した。時計は0.9秒前後速かった。日曜は朝から良になったが、まだ多少含水を残していて、時計は0.6秒前後速かった。
今週は火曜に11ミリ降って以降、雨は降ってないが、土曜はカラカラというほど乾いてはいないハズ。昨年より多少時計がかかりそうな様子で、良で0.5秒前後速い時計を想定する。やや外有利。先行差し互角。
台風が近づく日曜の開催は目いっぱい速く、2.5秒前後速い時計を想定する。やや外有利。先行差し互角。
月曜も水は引かない上に、追い風が強くなりそう。2秒前後速い時計を想定する。やや外有利。やや先行有利。
【阪神芝】
■やや含水ある状態上々の芝(土)
→ 含水高めで重い芝(日曜以降)、先行差し互角、やや内有利。
《Aコース2週目》
先週は阪神の夏の芝張り替えが、昨年の14000㎡から一気に26000㎡まで増えたことから、芝が相当軟らかくなっている可能性を指摘した。その効果はもしかするとこの先徐々に現れてくるのかもしれないが、少なくとも先週の時点では昨年の開幕週と比べて時計的にそれほど遅くなってはいない様子だった。
先週は木曜日に水曜に2.5ミリ、木曜に20ミリ、金曜に0.5ミリ降って週末を迎えた。土曜は0.9秒前後速く、日曜は0.4秒前後速かった。
今週の阪神は火曜日に59ミリ降り、木曜に散水した。土曜は午前中から雨が降っていて、追い風がかなり強い。重想定で、0.5秒前後遅い時計を想定する。
日曜は台風の接近により順延になる可能性が相当あると思う。もし強行した場合は風は追い風っぽいが、馬場は不良で2秒前後遅い時計になるのではないか。
日曜の開催が順延になるかどうかはともかく、日曜の夕方以降はどしゃ降りになりそうで、少なくとも月曜午前中の芝は日曜以上に含水が高い可能性がある。風は弱まるものの今度は向かい風なので、やはり2秒前後遅い時計を想定する。火曜が日曜の代替開催になった場合は、重~稍重で、風もほぼもなくなった状態で、0.8秒前後遅い時計を想定する。先行差し互角、やや内有利。
【阪神ダート】
■含水高い速いダートに加えて強い追い風も。先行差し互角、やや外有利
阪神のダートはダートコースの中でも先行有利な部類に入るが、それゆえに先行激化して超ハイペースになることも多い。極端なハイペースだと時計もむしろ遅くなりやすい。どうもそのせいで阪神ダートの時計はブレ幅が大きいようだ。
先週の阪神は水曜に2.5ミリ、木曜に20ミリ、金曜に0.5ミリ降った。土曜の1・4Rは稍重、それ以降は多少含水のある良で、土曜しょっぱなの時計は0.6秒前後速く、最終的には0.4秒前後速い時計になった。日曜は一日中0.4秒前後速い時計だった。
土曜は朝からすでに雨が降っている。重~不良を想定するが、強めの追い風がありそうで、2秒前後速い時計を想定する。
日曜は台風の接近により順延になる可能性が高いと思うが、もし強行した場合、シャブシャブの不良のダートと強い追い風の相互作用で想定で2.5秒以上速い時計になりそう。月曜には雨はやみ風も弱くなるが、含水は高めで1.5秒前後速い時計を想定する。火曜に順延競馬があった場合は1秒前後速い時計を想定する。いずれにしても先行差し互角、やや外有利。
城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。
城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。