接近中の台風22号が秋雨前線と連動して雨を降らせる。東京・京都の2場は土日ともほぼ雨になる。とくに日曜の東京は強い雨になりそう。一方土曜の新潟は曇りだが、日曜の新潟は雨になりそう。
【東京芝】
■軟らかく力の要る芝、先行差し互角、やや内有利
《今週からBコース》
先週は木曜日に34ミリ、金曜に8.5ミリ降り、さらに土曜は小雨が1日中降り続いて合計19.5ミリ降った。5Rまで重、それ以降は不良になった。先々週に引き続いての雨の競馬で芝がかなり軟らかく、土曜は2.2秒前後遅かった。
日曜は早朝から雨が降り、時間が経つにつれて降りが激しくなっていった。よくぞ最後までやった、という感じで、1日の総雨量153ミリ中、開催中の雨量は少なくとも90ミリくらいあった。日曜は8秒前後遅い時計だった。
今週は月曜に88ミリ、水曜に6.5ミリ降った。週末が雨になれば3週連続して雨の競馬になる。土曜は午後から降り始めると考えて、メインレース頃に稍重になると想定する。今週からBコース替わりなので芝はそんなに傷んでいないが、路盤の緩みは残っているはず。1.5秒前後遅い時計を想定する。
日曜は本格的な降りになりそう。前日から降り続いて午前中に不良まで悪化すると想定する。3.5秒以上遅い時計を想定する。土曜はやや内を避け気味の競馬、日曜には大きく外を迂回する競馬になりそう。先行差し互角、やや内有利。
今週のG1は天皇賞。今回のポイントはやはり重馬場だろう。菊花賞ほどの降りにはならないにせよ、3週続けての雨の競馬で下は相当軟らかいハズ。
キタサンブラックの宝塚記念はあくまでも叩き台ではないか。安全重視で大外回った走り方はいかにも勝負がかっていない。
ただ、敗戦自体は織り込み済みだったにせよ、負け方が気になる。宝塚記念はシーズン最終盤のG1で、もともと傷み加減な芝が稍重で緩んでいた。まともならそれとは真逆の芝になるはずが、今年の芝はむしろ宝塚記念の芝に近い。
その宝塚記念でキタサンブラックよりも外を回って楽に伸びたサトノクラウンが中心。ペースも速くなりそうだし、脚質的にもちょうどいい。
3頭目はネオリアリズム、ソウルスターリング、リアルスティール、ヤマカツエース、グレーターロンドン。
【東京ダート】
■含水高く目いっぱい速いダート。やや差し有利、内外互角
先週は木曜日に34ミリ、金曜に8.5ミリ降り、さらに土曜は小雨が1日中降り続いて合計19.5ミリ降った。土曜の朝から不良でずっと水が浮いていた。日曜は開催中に約90ミリ程度降り、やはり一日中不良だった。土日とも1.8秒前後速い時計だった。、
今週は木金と晴れたが、週前半の雨の影響が多少残った状態で、土曜は昼過ぎあたりから降り始めそう。土曜は良→稍重→重、日曜の朝から不良になると想定する。土曜は1秒前後速く、日曜は2秒前後速い時計を想定する。やや差し有利、内外互角。
【京都芝】
■先週に引き続き軟らかく遅い芝、先行差し互角、内外互角
《Aコース4週目》
先週の週末は台風21号が接近し、土曜に23ミリ、日曜の開催中に約50ミリ程度雨が降った。豪雨になったのは日曜の開催が終わってからだったが、それでも十分強い雨が開催中降り続いた。土曜は3・4Rが稍重、それ以降は重になり、4.5秒前後遅かった。日曜は一日中不良で、実に8秒前後遅かった。
菊花賞の勝ちタイムは3分18秒9だった。通常の良なら3分5秒前後になるべきところ、なんと14秒近くも遅かった。もちろん馬場のせいもあるが、レースレベルにも疑問符が付く結果だったと思う。
台風一過後も月曜に2ミリ、火曜に13.5ミリ、水曜に10.5ミリと雨が降り続いた。木金と晴れたのである程度乾いたはずだが、芝が傷んでいるというよりも、雨で生じた緩みが戻りきらないハズ。東京と違って京都はコース替わりがなく、週末も雨が降ればなおさら軟らかくなる。
土曜は早朝から細かい雨が降り続くことになりそう。昼頃に重になると考えて、1.5~2秒前後遅い時計を想定する。休むことなく日曜も降り続きそうで、日曜は一日中不良になりそう。3.5秒以上遅い時計を想定する。先行差し互角、内外互角。
【京都ダート】
■水が浮いて速いダート。逃げ・先行有利、やや内有利
先週は台風21号の接近で土曜に23ミリ、日曜の開催中に約50ミリ程度雨が降った。土曜は1・2Rのみ重、それ以降は土日とも不良だった。土曜は0.8秒前後速い時計だった。日曜は1.1秒前後速い時計だった。日曜のダートには水が浮いていたが、意外と速くならなかったのは若干向い風があった影響かもしれない。
今週は火曜に13.5ミリ、水曜に10.5ミリと降った。土曜は早朝から雨が降りそうで、朝のうち重、昼過ぎには不良になりそう。ただし雨の降り方が先週ほど激しくなさそう。土曜は1.5秒前後速い時計を想定する。日曜は2.5秒前後速い時計を想定する。逃げ・先行有利、やや内有利。
【新潟芝】
■土曜はやや遅めの良、日曜は遅い重、やや外有利、先行差し互角
《Aコース3週目》
先週は木曜に3ミリ、金曜日に1ミリ降ったが、土曜日は雨が降らず、良で0.2秒前後速い時計になった。日曜は正午をまたいで雨が強めに降り、早朝から開催終了までに約15ミリ程度降った。1Rのみ稍重、それ以降は重になり、1.7秒前後遅い時計だった。
今週は月曜日に43.5ミリ降っただけで、芝はおおむね乾いているハズ。土曜は晴れのち曇りで雨は降らなさそう。良で0.2秒前後遅い時計を想定する。日曜は早朝から小雨が降り続きそう。稍重→重という推移を想定する。先週の競馬でかなり傷みが進んだので、雨の影響は大きいハズ。1秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、先行差し互角。
【新潟ダート】
■土曜は曇りでそこそこ速いダート、日曜は雨で速いダート、やや内有利、やや先行有利
先週は木曜に3ミリ、金曜日に1ミリ降ったが、土曜日は雨が降らず、良で0.5秒前後速い時計になった。日曜は稍重(2・3R)→重(6R)→不良(7・8・11R)と推移して1.3秒前後速い時計になった。
今週は月曜日に43.5ミリ降り、それ以降降ってないので、砂はおおむね乾いている。土曜は曇りで雨が降らないものと考えて0.5秒前後速い時計を想定する。日曜は早朝から小雨が降るが、雨量は先週よりも少なそう。稍重→重という推移を想定して、1秒前後速い時計を想定する。やや内有利、やや先行有利。

城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。