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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2018年02月24日(土)更新

見た目と中身の差に要注意!【今週の馬場傾向予測】


【中山芝】


■見かけと違って内外とも張り詰めた良好な芝。やや内有利、やや先行有利


《Aコース1週目》

中山が昨年秋以降稍重以上になったのは9月17・18日と、その翌週の9月23日の3日間だけ。9月17・18日はBコース開催で、9月23日はCコース開催だった。そして12月のAコース開催時は天候に恵まれて一度も雨に当たっていない。

JRA・HPの『馬場情報』欄のコース写真を見ると、内側の芝がだいぶ禿げているように見えるが、これは12月のAコース開催時に内側の洋芝が禿げ、さらに1月後半から2月前半にかけて『最強寒波』に襲われた影響で、追い蒔きした洋芝の発芽率が悪いため(だと思う)。

だが前述したように地下部分の野芝の傷みは軽いはずなので、見た目とは違って、今時期の芝としては内も外も相当状態がいい部類に入るハズ。


今開催は、前開催で使用したCコース→Aコース戻しによって内6mが開放される。だがこれまでAコースは9日間使われているので、グリーンベルト的なものはできていないハズ。開幕週というプラスはあるものの、中間のエアレーションの効果により、いわゆる「硬い」「速い」芝でもない。

今週は木曜日に降水量換算で5ミリ相当の雪が降ったが、地上部分の気温が高かったせいか雪が積もることはなかった。金曜日の0.5ミリの降水を含めてもほとんど影響なさそう。土曜日は晴れ、日曜日は曇りで、いずれも良と想定する。土日とも0.5秒前後速い時計を想定する。やや内有利、やや先行有利。



【中山ダート】


■やや含水があり締まり気味でやや速い良、やや外有利、やや先行有利


今年は1月末に『最強寒波』がやってきたが、それ以前の気温はそれほど低くなかった。そのため中山では12月21日にまいて以降凍結防止剤の出番がなかった。またこのところ寒いといっても朝夕氷点下まで下がることは滅多になくなっている。

氷点下にならなければダートが凍るリスクはほとんどなくなる。この先も凍結防止剤を使わずに中山は春を迎えるのだろうか。

今週は木曜日に降水量換算5ミリ相当の雪が積もらずに降り、金曜日に0.5ミリの降水があったが、昼からは晴れた。土曜日も晴れて気温も10℃越えしそうなので、ダートはどんどん乾いていくハズ。土日とも標準的な含水の良で、タイム差なし前後の時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。



【阪神芝】


■洋芝の生育よく、クッション性のいい速い芝。先行有利、内有利


《Aコース1週目》

阪神にはA・Bコースしかなく、しかも夏の養生期間も短いのに、意外と芝が傷まないのは、内・外回りの存在に加えて、真冬の1・2月の開催がないからだ。また一昨年の秋の阪神がけっこう雨にたたられたのに対して、昨年秋の阪神は2週目しか雨にぶつかっていない。

JRA_HPのコース写真を見ると、芝ハゲハゲの中山とは対照的に阪神の芝は青々と生え揃っている。それは1月下旬『大寒波』が来る前に追い蒔きした洋芝がいち早く発芽していたためだ(と思う)が、前述したように中山の芝が悪いのは見かけだけだとはいえ、この見かけの差はかなり大きい。

阪神は夏の養生期間を除いてエアレーションはしないのが通例で、今年も1カ月のインターバルしかない中山がやっているのに阪神は2カ月のインターバルがあってもやっていない。阪神は6月の宝塚記念まで芝を引っ張って使わねばならないため、傷みづらさを重視して路盤は多少堅めに作っているのかもしれない。

その代りこの時期としては珍しくけっこうマメに散水している。これは路盤が堅めな分のクッション性を洋芝に補わせるという思想の、阪神独特の洋芝重視の維持管理なのかもしれない。かつ洋芝がきちっと生えていると地表の温度も下がりづらいので、それが野芝の状態維持に好影響を与えている可能性もある。

この1週間阪神はほとんど雨が降っていない。その分散水多めだった。週末は土曜日が晴れ、日曜日は曇りを想定、やや乾き気味の状態のいい芝ということで、土日とも良で0.5秒前後速い時計を想定する。先行有利、内有利。




【阪神ダート】


■乾き気味でやや力の要るダート。内外互角、先行差し互角


昨年春までの阪神ダートはやや速めだったが、原因はともかく昨年秋以降は時計がやや遅くなっている。

今週は1週間雨がないし、週末も土曜日が晴れ、日曜日は曇りという想定でやや乾き気味。やや遅めの時計になると考えて間違いないハズ。土日とも0.5秒前後遅い時計を想定する。内外互角、先行差し互角。



【小倉芝】


■状態上々の芝のBコース替わり。やや内有利、やや先行有利


《今週からBコース》

先週は月曜に4ミリ、木曜に2.5ミリ降った。降水量自体は少ないが裏日本の天候不順の影響が及んでイマイチはっきりしない天気だった。週末は土日とも晴れ、良の開催になった。土日ともタイム差なし前後の時計になった。

今週からBコース。冬の小倉は芝のレース数が多いとはいえ、まだ4日間しか競馬していない状態でコース替わりするわけだから、芝がほぼ一新し、内がよくなると考えて間違いないハズ。

今週の中間はずっと曇りがちだったが降水はなかった。土日とも良、Bコース替わりで芝がよくなることも考慮して、0.2秒前後速い時計を想定する。やや内有利、やや先行有利。




【小倉ダート】


■凍結防止剤が残ってやや時計がかかるダート。やや先行有利、内外互角


先週は木曜に2.5ミリ降っただけで、曇りの日が多かった。先々週にまいた凍結防止剤が残っている状態で、土曜日は前日の気温が高めの状態の稍重で0.8秒前後速い時計になった。土曜の夜は気温が下がり、かつ良でタイム差なし前後の時計になった。

今週の中間は降水がなかったので、まだ砂中には凍結防止剤が残っているものと考える。金曜の夜から土曜の早朝にかけては晴れて地表温度が氷点下に下がる可能性が高く、ハロー車の出番があるハズ。土曜は晴れ、日曜は曇りそうだが、どちらも良を想定し、また凍結防止剤の影響でどちらもやや時計がかかり気味になると想定して0.5秒前後遅い時計を想定する。やや先行有利、内外互角。


プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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