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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2018年04月07日(土)更新

花散らしの風が吹き荒れそうな今週末【今週末の馬場傾向】

金曜に雨を降らせた寒冷前線は東海上に抜けたが、西高東低の気圧配置が残り、西から寒気が入ってくる。そのためスカッとは晴れないが、雨の心配はなさそう。また3場とも風の強い時間帯が多くなりそう。


【中山芝】


■芝の状態よく内外の差も少ない。やや先行有利、やや内有利


《Bコース2週目》

先週は1週間雨が降ってない状態で週末を迎えた。土日とも晴れ、土日とも0.7秒前後速い時計になった。日曜日は南風(ゴール前直線で追い風に相当)が多少強かったが、時計面での影響はあまりなさそうだった。

コース替わりで内の芝傷みはほぼカバーされたものの、コーナーから直線にかけて内に1頭分ほど傷みが残っていたようで、馬群が外に逃げる様子が先週見られた。だが芝の傷みは外見上のものだと思うし、それも開催が進むにつれてむしろ目立たなくなるハズ。現状では内外の差はほとんど気にならない。

その後さらに1週間雨が降らず、2週間雨なしの状態が続いた。金曜の夜から土曜の早朝にかけて2ミリ程度が降ったが、ほぼ無視できる範囲。土曜は曇りがちな晴れで雨は降りそうもない。ただし午後に強い南西風が吹きそう。0.5秒前後速い時計を想定する。

日曜はきれいに晴れそうで、風も収まるハズ。0.7秒前後速い時計を想定する。やや先行有利、やや内有利。



【中山ダート】


■乾き気味でやや力の要るダート、内外互角、先行差し互角


先週は1週間雨が降っていない状態で週末を迎えた。土日とも乾いた状態で、0.3秒前後遅い時計だった。

今週は金曜の夜から土曜の早朝にかけて2ミリ程度雨が降ったが、もともとの含水率が低いので、影響は小さいハズ。ただし土曜の午後に強い南西風が吹そう。南西の風はゴール前直線で追い風だが、向う正面では向かい風になるので、時計面では差し引き遅くなる勘定と考える。0.5秒前後遅い時計を想定する。日曜は風は弱まると考えて、0.3秒前後遅い時計を想定する。内外互角、先行差し互角。



【阪神芝】


■金曜の夜にまとまった雨が降ったが、芝の状態よく水はけも早い、先行差し互角、やや内有利


《Bコース2週目》

先週はBコース替わりに加え、中間晴れが続き、週末も晴れて、これまで雨で緩み加減だった芝の状態が大幅によくなった。土曜日は良で0.8秒前後速い時計だった。日曜日は0.6秒前後速い時計だった。中山と違って馬群が内を避ける様子も見られなかった。土日とも風はそこそこ強かった。

金曜の昼から夜にかけて20ミリ程度の降水があったが、それまで雨が降ってなかったので水はけが早く、土曜朝の時点で馬場発表は稍重。さすがに4R・6Rあたりは影響を受けそうだが、土曜の9Rまでには良に回復すると考える。土曜の午後から日曜にかけてはよく晴れそうで、芝も速さを回復するハズ。

ただし阪神は土日とも南西の風(3~4コーナーで向かい風になる向き)がやや強く、タイムを抑える方向で影響がありそう。風という要因を加味して、土曜は前半0.2秒前後遅く、良に回復して以降はタイム差なし前後の時計を想定する。日曜は良で0.5秒前後速い時計を想定する。先行差し互角、やや内有利。


今週のG1は桜花賞。桜花賞の1着賞金は1億500万円で、NHKマイルCと同じ。皐月賞とオークスが1億1000万円で500万円差だから、これらの4つのレースはどれを取っても賞金的にはほぼ同等といえる。だが今のところクイーンC勝ちのテトラドラクマがNHKマイル行きを表明しているくらいで、有力な3歳牝馬はほぼここに集結する。

芝の状態は万全。内外の有利不利はほとんどない。コーディエライトが逃げ宣言している、もしレッドレグナントが控えればペースが落ち着くハズ。

中心は漁夫の利がありそうなプリモシーン。相手筆頭がレッドレグナント、以下ラッキーライラック、アマルフィコースト、リリーノーブル、アーモンドアイ、マウレア、ハーレムライン、フィニフティ。




【阪神ダート】


■締まったダートも南西の風強い、先行差し互角、内外互角


先週は10日ほど晴れが続き、土日もよく晴れた。土曜は良で0.5秒前後遅かった。日曜は良で0.7秒前後遅かった。土日とも午後を中心に南西の風が吹いていたが、土曜より日曜のほうが風が強かった。

今週も木曜までは晴れていたが、金曜の午後から夜にかけて20ミリ程度の降水があった。土曜朝の馬場発表は重、風もあるので土曜中に稍重まで回復しそうだ。いずれにせよ締まったダートになる。強く吹きそうな南西の風の影響を考えて土曜は0.8秒前後速い時計を想定する。日曜は午後には良に回復すると想定した上で、同じく風の影響を考えて0.3秒前後速い時計を想定する。先行差し互角、内外互角。



【福島芝】


■気温が上がって芝の状態絶好、やや内有利、先行有利


《開幕週でAコース1週目》

福島は夏競馬以降に6000㎡を張り替えたが、その後の天候もよく、また11月の開催も6日間とも良で行われた。現在の芝の状態を疑わせるものは何もない。

オールド・ファンのためにいっておくと、福島が芝が傷みやすかったのは、今の倍くらいの開催日数を消化していた頃の話。もちろんコース幅が狭い福島の場合、開催が集中して雨に当たると傷みは早いが、そうなるのはむしろ例外で、今の福島の芝はむしろ傷みやすくない、と認識を改める必要がある。

ここ2週間くらい福島の最高気温は20℃を超えている。福島もまたクッション性を重視して芝を軟らかめに管理しているが、この気温なら芝も充実一途のハズで、秋の福島よりも時計は速くなりそう。今週は全国的に風が強そうだが、福島では横風になりそうで、時計への影響は小さいと考える。

金曜の夜から土曜の朝にかけて数ミリ降った様子だが、時計への影響はなさそう。土・日とも良で0.5秒前後速い時計を想定する。やや内有利、先行有利。




【福島ダート】


■パサパサに近い力の要るダート、逃げ・先行有利、やや外有利


福島は凍結防止剤を使う冬の開催がないので、ダートの平均時計がやや速めになっている。2週間程度雨が降ってない今週はパサパサに近い馬場状態のハズ。

金曜から土曜の朝にかけて降った雨は数ミリで、時計への影響はほとんどなさそう。であれば福島のダートとしてはもっとも遅い時計になりそう。土日とも良で0.5秒前後遅い時計を想定する。逃げ・先行有利、やや外有利。


プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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