この週末は3場とも晴れるが、新潟は気圧の谷の影響で土曜日のゴール前は向かい風が吹く。東京と京都の週末は南西からやってくる高気圧に覆われる。そのため土日とも晴れそうだが、日曜の東京はやや南風が強そう。
【東京芝】
■乾いた状態でやや速い芝、やや内有利、先行差し互角
《Aコース3週目》
先週は水曜日に58ミリ降った。だがその後よく晴れて気温も上がり、週末もよく晴れた。また土日とも午後を中心に強めの南風が吹いた。土曜は0.5秒前後速かった。日曜は0.8秒前後速かった。
先々週から2週続けて強めの南風が吹いている。東京の南風は1~2コーナーでは向かい風、3~4コーナーでは追い風になるが、時計への影響はそれほどない様子だ。
今週は木曜日に10ミリ降った。だがその後よく晴れて気温も上がり、週末もよく晴れそうで、中間の降水の影響はない。今週も日曜日は強めの南風が吹きそうだが、前述したように時計への影響は少ないハズ。土日とも0.6秒前後速い時計を想定する。やや内有利、先行差し互角。
今週のG1はNHKマイルC。桜花賞の週にも書いたが、春の3歳G1の1着賞金額はダービーが2億円、皐月賞とオークスは1億1000万円、桜花賞とNHKマイルは1億500万円で、賞金的にはダービー以外の4つのレースはほぼ同等。牡馬にとってのダービーの存在は別格に大きいが、牝馬にとってのオークスはそこまで大きくない。つまり3冠レースから外れるNHKマイルを選ぶ決断は、牡馬よりも牝馬のほうがしやすいわけだ。
◎プリモシーンは前走出遅れたのはともかく、慌てて内に入れたのが致命傷になり、直線では完全に包まれて競馬にならなかった。今回も出遅れる可能性は当然あるが、少なくとも二つの点で状況は改善している。一つは輸送が短くなること。ゴールデンウィーク中の長距離輸送が必要な関西馬と比べてかなり有利だ。次にクラシック未勝利だった鞍上が皐月賞を勝利し、精神的な余裕が生まれていること。
相手筆頭はレッドヴェイロン。以下タワーオブロンドン、ミスターメロディ、テトラドラクマ、ケイアイノーテック、パクスアメリカーナ、ギベオン、フロンティア。
【東京ダート】
■乾き気味の力の要るダート、やや外有利、やや先行有利
先週は水曜日に58ミリ降った。だがその後よく晴れて気温も上がり、中間の火曜から水曜にかけて14.5ミリ降った。土曜は3Rまで稍重で、それ以降良になった。土曜は0.4秒前後遅い時計だった。日曜はさらに乾いて0.9秒前後遅い時計になった。
冬東京の前半は雨でシャブシャブになることが多く、連日かなり速かったが、冬競馬の後半から良発表が多くなってからは一転して時計がかかり気味になった。4月になってもその傾向は引き継がれている。
今週は木曜日に10ミリ降った。それ以降は晴れ。土・日もよく晴れそうなので、どんどん砂が乾いていくハズ。土日とも良で0.8秒前後遅い時計を想定する。内外互角、先行差し互角。
【京都芝】
■状態はいいがメーンイベントが終わった芝、やや先行有利、やや内有利
《Cコース3週目》
先週は火曜日の夜から水曜日の午前中にかけて合計36ミリ降った。だがその後は晴れ、土・日もよく晴れた。土曜日はずっと良だったが、午前中は多少含水が残って軟らかかったのか多少時計がかかって0.3秒前後遅かった。日曜日は0.2秒前後速かった。
先週春の京都のメーンイベントである天皇賞春が終わった。芝はメーンイベントを目標に逆算して作っていくものなので、いくら先週までの芝がよくても賞味期限が近づいていることはたしかで、この後少しずつ傷み始めていく。
今週は水曜日の夜から木曜日の午前中にかけて合計10.5ミリ降った。週末はよく晴れそう。芝は先週の状態がおおむねキープされているハズ。土曜は0.2秒前後速い時計、日曜はタイム差なし前後の時計を想定する。やや先行有利、やや内有利。
【京都ダート】
■乾き気味で多少力の要るダート、やや先行有利、内外互角
先週は火曜日の夜から水曜日の午前中にかけて合計36ミリ降った。だがその後は晴れ、土・日もよく晴れた。土日とも良で土曜日は0.2秒前後遅く、日曜はさらに乾いて0.5秒前後遅かった。
今週は水曜日の夜から木曜日の午前中にかけて合計10.5ミリ降った。気温が高いので乾くのも早く、土曜朝の時点で馬場発表は良になっている。ほぼ先週並の経緯を考えて、土曜は多少含水が残る状態の良を想定し0.2秒前後遅く、日曜は乾いた良を想定して0.5秒前後遅い時計を想定する。やや先行有利、内外互角。
【新潟芝】
■気温上昇とともに芝の状態がアップ、やや先行有利、内外互角
《Bコース2週目》
先週は火曜日に10ミリ、水曜日に13.5ミリ降ったが、週末は晴れて土曜の朝から良発表だった。土曜日の時計はタイム差なし前後、日曜日は0.6秒前後速かった。ゴール前直線で強い向かい風が吹いた土曜日はやや時計がかかったが、風が弱まった日曜日は春新潟としては速めの時計が出た。
今年は冬が寒かったので野芝の状態がどうか、という不安があったが、ここへきて気温が上がっていることもあり、芝の状態は急な上がり調子のようだ。
今週は木曜日に7.5ミリ、水曜に4ミリ降った。また金曜から土曜の朝にかけて15ミリ程度雨が降った。午前中は曇りで昼過ぎから晴れ。また先週ほどではないが、土曜は強めの西風が吹きそう。風が強い分馬場の乾きも早く、午後には良に回復するだろう。向かい風の影響も考えて1秒前後遅い時計を想定する。日曜は晴れ、風も弱まるので、良でタイム差なし秒前後の時計になるものと想定する。やや先行有利、内外互角。
【新潟ダート】
■含水高めのダートも土曜は向かい風に注意、内外互角、やや先行有利
先週は火曜から水曜にかけて23.5ミリ降った。土曜の3Rまで稍重で、その後良に回復した。土曜は0.3秒前後遅かった。芝と同様に強い向かい風が時計に影響したようだ。日曜は風も弱まり、0.3秒前後速い時計になった。
今週は木曜日に7.5ミリ、水曜に4ミリ降った。また金曜から土曜の朝にかけて15ミリ程度降った。土曜は重スタートで、稍重までの回復を想定する。ただし西風が影響してそれほどタイムは速くならず、1秒前後速い時計を想定する。日曜は朝から良と想定し、タイム差なし前後の時計を想定する。内外互角、やや先行有利。
城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。
城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。